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佐々木巌ギターリサイタル&手塚教室発表会

コンサートのお知らせです。
7月5日(金)、長津田駅前のみどりアートパークホールにて「佐々木巌ギターリサイタル」、19時開演です。
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昨年のアンドレス・セゴビア国際コンクールでの優勝は記憶に新しいところですが、さらにさらに進化中の佐々木くんが、今回は初のコンチェルトを演奏!「アランフェス協奏曲」を名手高木洋子さんと聴かせてくれますので、どうぞご期待の上お出かけくださいませ。
私は杉本みどりさんとのデュオで、オープニングにアルベニス「タンゴ」、ソル「アンクラージュマン」の2曲を演奏致します。

コンサート開演前には、17時より手塚教室発表会があります。こちらは入場無料ですので、お時間のある方はこちらもお楽しみください。
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教室発表会というのは興味深い催しです。門下生の演奏を一堂に聴くと、先生のカラーがはっきりと表れます。手塚先生のギターの音色に対する考え方が、きっと伝わることでしょう。レヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサ先生直伝のスペインの音が、現代の日本で生き生きと奏でられていることをぜひ知ってください。

皆様のご来場をお待ち申し上げます。









by yuko_kodama | 2019-06-22 09:47 | ライブ、コンサートの話

アンサンブル・フェスティバル2019 無事終了

アンサンブル・フェスティバル2019、お陰さまをもちまして無事盛会のうちに終了致しました。ご出演頂いた各グループの皆さま、ご協力頂いたスタッフの皆さま、そしてご来場くださいました全ての皆さまにお礼を申し上げます。

出演のグループはだいたい毎年同じ顔ぶれですが、年々演奏がレベルアップしているね、というのが出演者同士の感想です。今年は郡山から「ドゥノール」さんに初出演でお越し頂きましたが、こちらも堂々とした演奏、少人数ならではのまとまりの良さ、聴きやすくて魅力的なプログラムなど、多くの良い刺激を頂きました。

私は「アルカンヘル」四重奏、合奏「カンパニージャ」の2グループに出演。メンバーが送ってくれた録音も確認して、なかなかの出来にほっと一息ついたところです。

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「アルカンヘル」はとても楽しく活動しています。一番の理由は、同じ手塚門下同士「良い音、良いギター、良い音楽」についての大前提が何も言わずとも通じているところ。もちろん今後に向けての課題はありますが、息長く活動して私たちならではの良さ、なんといってもアルカンヘル4本という貴重な音を大切に、色々な曲を弾いていきたいなと思っています。今のところプログラムにはあまり一貫性がないというか、まあ手当たり次第弾いているというところは否めませんが、どの曲にも実は「この音を聴いてほしい!!」「これぞアルカンヘルの音!!」というポイントが必ずあります。今度はそのへんを手元にお配りするプログラムやプロフィールなどに書いておくのも良いかもしれないと感じました。


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「カンパニージャ」では大合奏ならではの迫力ある演奏を楽しむことができました。実は、当日朝のステージリハーサルで急遽パートの入れ替えをしたり、直前まで仕上がりには不安がありました。しかし、そうしてまで全体のバランスを整えたことが奏功し、本番の演奏はメロディが前面に出た聴きやすくて勢いのある素晴らしい仕上がりになりました。直前の変更に動じない、力のあるメンバーがいることはもちろんですが、普段から実直に練習会に欠かさず参加するメンバーが屋台骨を支えてくれているお陰でこうした荒技も決まるのです。こんな、よく言えば臨機応変、直前まで何が起こるか分からないスペイン式の手塚先生のやり方も、私が楽しくカンパニージャで活動できる理由の一つかな?笑



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第2部の「EL TANGO」のお2人の演奏は、残念ながら客席では聴けませんでしたが、前半は舞台袖のアナウンス席で、後半はロビーのモニタースピーカーから、聴いていました。
3日前には直々にカンパニージャに対してタンゴのレッスンをして下さったお2人。そのレッスンの記憶も新しい中で聴いたので、本場のリズムやバンドネオンの「泣き」の歌い回しの実演に接し、さらにたくさんの得るものがありました。(バンドネオン、後で考えるとちょっと尺八みたいと思ったりして。)また、直前に読んだ新聞記事でのバンドネオンの奏法(かかとを落とすことで鋭いスタッカートを実現する)なども、目の前で確認できて面白かったです。本場のアルゼンチン・タンゴ、また聴きたいですね。

彼らの演奏とは別に、大ホールでの公演を主催することが少なく、普段はクラシックギターの生音が当たり前のカンパニージャとしては、PAの調整に手こずってしまった面はありました。フェスティバル後半のゲスト演奏で、ステージリハーサルの時間が限られたことも拍車をかけました。そのあたりは主催側として、次回以降の運営面での課題を心に留めておこうと思います。

いずれにしても、気がつけば今年で7回目を迎えたらしいこのフェスティバル、今後も楽しく続いていってほしいと思います。今後ともどうぞ応援よろしくお願い致します!
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by yuko_kodama | 2019-06-12 08:10 | ライブ、コンサートの話

バンドネオンとタンゴ

バンドネオンという楽器とタンゴについて、少し考えてみました。

今週末の土曜日は、アンサンブル・フェスティバル2019の本番です。ゲストコンサートの部に出演されるギターとバンドネオンのデュオ“El Tango”のお2人も無事に到着され、昨日はアンサンブル「カンパニージャ」にタンゴのレッスンをして下さいました。今回のフェスティバル、カンパニージャでは「ラ・クンパルシータ」と「リベルタンゴ」の2曲のタンゴをプログラミングしています。もちろん、ゲストの彼らに敬意を評してのプログラム。

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さてレッスン開始。
1曲目「ラ・クンパルシータ」を聴き終えると、
「タンゴの雰囲気を感じてもらおうと、楽器を持ってきたよ」とおもむろにバンドネオンを取り出したのはオルランドさん。どうも我々の演奏には、まだタンゴらしさが欠けていたようです。

「もっとスタッカートを効かせて、こんな風に。ギターだと難しいかもしれないけど。
ザッザッザッザッ!
「その後はうんとレガートに」
ブォーンブォーン!
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いや、参りました。
バンドネオンすごい。

実際のレッスンではこの後、ギターのカルレスさんが、これらの表現をギターで実現するには、という実践的なテクニックを教えて下さったのですが、帰り道も私の頭の中はバンドネオンでいっぱい。あの、いかにもタンゴな軽くキレのあるスタッカート、そして重みのあるレガート、圧倒的な音圧のロングトーン。

ブォーンザッザッザッ、ブォーンザッザッザッ

ん?待てよ?
バンドネオンの楽器としての特徴がいかにもタンゴらしいのか?
卵が先か、鶏が先か。
タンゴという音楽そのものが、バンドネオンの得意な表現に合わせて進化してきたのかも?

軽いスタッカートは、ボタン式のキーボードならでは。アクションが少ないので一瞬で音が出て、指を離せばすぐに音が消える。ギターなどの弦楽器では弦の振動を消さないとスタッカートになりません。(カルレスさんは開放弦を使わずに左手を離すことでスタッカートを実現していました。)ピアノは構造が複雑なので、音を出すにも消すにも少し時間がかかる。やはりバンドネオンのようにはいかないのです。
重みをかけて引っ張るような一拍目のアクセントも、まさに「引っ張る」アクションで発音するバンドネオンだから実現しやすいような気がするし…。

そういえば、レッスンでは興味深い話もありました。私たちの使っていたギターアンサンブル用に編曲された「ラ・クンパルシータ」は4分の2拍子で書かれていたのですが、オルランドさんの話では、それはとても古いタンゴのスタイルだとのこと。昔は4分の2拍子で捉えて、もっと速く演奏されていたのだけど、今はタンゴは必ず4分の4拍子で、4つの四分音符を強・弱・中強・弱のアクセントをつけて捉えるものだと。そして一拍目のアクセントは重みをのせて引っ張る、後の3つはスタッカート。
ブォーンザッザッザッ
でも、逆にいうと、古い時代は今のようなタンゴの拍感ではなかったということ。
古い時代?バンドネオンの登場っていつだろう?

目の前でバンドネオンを聴いてきて、私の今の感じとしては「現在のタンゴの表現はバンドネオンが作ったものだ」という方に傾いていますが、バンドネオンとタンゴ。
どちらが鶏でどちらが卵なのか。

正解は分かりませんが、
どうぞこのバンドネオンの圧倒的なまでの「タンゴ感」を目の前で味わいに来てください。
6月8日(土)、大田区民プラザ大ホール 午後3時開演です!!
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by yuko_kodama | 2019-06-06 04:50 | クラシック音楽の話

武満徹の「うた」The Complete

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5月29日(水)神楽坂TheGleeにて「Acaustic Ladyland(アコースティック・レイディランド~通称アコレデ)」のライブを聴いてきました。アコレデは、ボーカルの石塚裕美さん、ギターの富川勝智さんのお二人によるユニット。当夜のプログラムは、武満徹が残した21曲の“うた”全てを、ボーカルとギター1本で一夜にして披露するという企画で、世界初の挑戦とのことでした。素晴らしいライブでした。

富川さんのギターは、立ち上がりの速いきっぱりとした音で、ポップソング弾こうがハードロック弾こうが、いつでも芯には揺るぎないクラシックギターらしさがあります。今回も、武満の捻りの効いた和声を、前に出てくる音、奥で響く音、中間で漂っている音など絶妙なバランスで弾き分け、とても立体的な表現でした。
「見えない子ども」のモダンな和声でのアルペジオは、エドゥアルド・サインス・デ・ラ・マーサの「プラテロ」を彷彿とさせます。「恋のかくれんぼ」ではギターの間奏がとても印象的。「燃える秋」や「三月のうた」などドラマチックで壮大な雰囲気のうたも、「〇と△の歌」や「明日ハ晴レカナ曇リカナ」のような短くて童謡のように可愛いうたも、ギター1本でよくここまで雰囲気を変えて伴奏できるなあと思います。伴奏がギター1本であることは、引き算の美学でしょうか。シンプルなギターだけの伴奏が、「詩」の世界を際立たせていたように思います。器楽作品をメインに書いてきた武満だからこそ、“うた”を書くにあたって歌詞に重きをおいたことは想像に難くありません。

裕美さんの歌は、歌詞に合わせ、曲に合わせ、様々な声と歌い方を使い分け、その幅広さと奥深さには驚かされます。歌詞に合う声でダイレクトに曲の世界を表現していくことで、前述のとおり詩の世界が際立つことはもちろん、もうひとつ気付いた点は、こういう手法がむしろクラシックの演奏家の姿勢に近いのでは、ということです。楽譜の一音一音に合う音を探して表現する富川さんのギター、歌詞の一言一言をどう歌ったら伝わるか考えぬく裕美さんの歌。だからお二人の相性がいいのかもしれません。そして、当時のクラシック音楽の巨匠作曲家の手によるポップソング、クラシック音楽の語法を用いて、最もクラシックギターらしい音色で奏でられるポップな伴奏、純粋にポップミュージックの世界に育ちながらクラシック音楽のような手法で表現するボーカル。このポップスとクラシックの大変面白い絡まり具合も、アコレデ×武満ならではだったと思いました。

個人的に面白かったのは「ワルツ~他人の顔」。この曲は以前、ヤマハのレクチャーコンサートのために富川さんの手でギター五重奏にアレンジされたものをYouTubeで視聴して、「ワルツ~仮面舞踏会」(ハチャトゥリアン作曲)に似ているなあと思ったのですが、この夜日本語歌詞で裕美さんが歌うのを聴いたら全然違う印象で、いかにもサスペンス映画の挿入歌という仕上がり。ところが、同じ曲をアンコールでドイツ語歌詞で聴いたところ、ドイツ語の硬くてゴージャスな語感がもたらすものなのか、またハチャトゥリアンの雰囲気に近い感じに聴こえたのです。音楽と歌詞のある歌の面白さの真骨頂を聴いた気分でした。

これだけの素晴らしいライブ、準備には相当の労力があったことと思います。Completeでの再演は難しくても、アコレデの最重要レパートリーとして、今後のライブでも披露される可能性があるかな?と期待しております。お聴き逃しになった方は、今後のアコレデライブも要チェックですよ!











by yuko_kodama | 2019-06-03 23:36 | ライブ、コンサートの話