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遊音地@横浜みなとみらいホール〜その3

このシリーズ最終回となる「バックステージツアー」のレポートです!

今回の企画は親子向けで「ピチカートツアー」という名称でした。私だけでは参加出来なかったかも⁈小学生の娘と2人で参加しましたが、10時半受付開始のところを10時過ぎから並んで、なんとか滑り込みセーフという人気ぶりでした。
案内してくださったのは、みなとみらいホールの事業計画の段階から携わっていらしたという中村卓史さん。ホールの隅から隅までご存知で、たくさんのウンチクを語ってくださいました。
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ツアーはモール側入口の壁画前から出発し、
正面玄関→クローク、2階へ上がって大ホール客席→ステージ、ステージ下手側通路から舞台裏へまわり、楽屋2部屋→アーティストラウンジ→荷捌場→楽屋口、地下へ降りてリハーサル室→大部屋楽屋→ピアノ庫→ピアノ搬送用エレベーターにて小ホールのある6階→屋上庭園→関係者用エレベーターにて1階→正面玄関前ロビーに戻る(以上記憶で書いてます、抜けてるかも)
というルートでした。

大ホールのステージ上から指揮者用の第1楽屋、アーティストラウンジあたりは最高に興奮しました。オーケストラ用のホールや設備には全く縁がありませんからね。指揮者用の楽屋には、アプライトピアノが1台、シャワー室もありました。リハーサルから開演までの間を楽譜とともに、あるいはピアノを使って過ごす、指揮者の部屋。「小澤征爾さんなんかはシャワーは使わずに、必ず乾いたタオルを使用されるんですね」などと、具体的なお名前が上がると興奮度もマックスです!
アーティストラウンジはそこそこ広く、でも本当はもっと広さが欲しかったそうです。正方形の4人掛けのテーブルが舞台の真裏にあたる位置に、6〜7くらい横一列にありましたでしょうか。壁沿いには楽器を置くための棚が作りつけてあり、これはみなとみらいホールの自慢で、どの楽団にも喜ばれるそうです。「高価な楽器ですから、皆さん必ず持って歩かれます」との説明に深く頷くギター弾きの私。ピアノ弾きの娘は無関心。飲み物が提供されるカウンターがあり、クッキーなどのお菓子が並べてありました。

大ホール自体の説明も興味深いものでした。このホールは、公設民営というのかな?横浜市から「2000席のクラシック専用ホールを」という依頼が先にあったそうで、2020席のシューボックス型ホールとして完成しました。2000席でシューボックスというのは、実はかなり無理な設計。(土地の形状の制限からワインヤード型は設計できなかった。)2階後方の左右バルコニーでは舞台の半分以上が見えないような席もあるそうですが、どの席からも指揮者だけは見えるように設計を依頼したとのことでした。ホール全体の施工にかける費用を計画当初よりも節約した中で、音響設計に関わるところではビタ一文もケチっていない、と胸を張っておられた中村さんです。

ホール施工の費用が節約されたと書きましたが、これはみなとみらいホールが建てられた当時の時代背景のためです。みなとみらい地区の開発は今から30年前の横浜みなとみらい万博開催を機に始まり、ホールが計画されたのは25年前の1995年、バブルの時代です。ところがその後すぐにバブルがはじけて経済が暗転、長い不況の時代となりました。バブルの時代に計画されたとおりには実行できなかった施工案が多くあり、例えば正面玄関などはあまりにも簡素な仕上がりになったために、完成当時案内された横浜市長が「ここは裏口かね?」と言ったというエピソードも。ホール内外の装飾は経済が上向けばいつか足していくことも可能だろう、しかし、音響は一度出来上がったものを変えるのは非常に難しい。しかも、音が良くないという評価が定着すれば一流のオーケストラを呼ぶことも難しくなる。音作りに費用を惜しまなかった理由は明確でした。納得です。

このように、ちょっと子どもには難しいだろうなーと思われるウンチクを聞きながら、あっという間の1時間でした。娘は、ステージ上に置かれてあったスタインウェイのピアノに見とれ、地下のピアノ庫で「どれがベーゼンドルファー?」「わかんなかったー」とがっくり。いつの間にかピアノ弾きらしくなっていて面白かったです。ピアノは地下のピアノ庫からセリで舞台に載せますが、みなとみらいホールでは舞台の端にピアノ用のセリを設計したそう。サントリーホールでは、舞台中央にピアノセリがあり、演奏時も奏者はセリ上で弾くことになるのだそうで、これを不安に思う奏者もいることなどを聞いての配慮なのだとか。本当に興味深い話ばかりでした。

こうしたツアーは、他のホールでも開催されているのでしょうか?ぜひ色々なホールのウンチクを聞いて、比べてみたいものです。とても楽しく参加させて頂きました。
これで「遊音地@みなとみらいホール」のシリーズはおしまいです。お読み頂き、ありがとうございました!
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# by yuko_kodama | 2019-08-19 05:32 | クラシック音楽の話

遊音地@横浜みなとみらいホール〜その2

みなとみらいホール「遊音地」。
今回は、この日聴いたその他のコンサートについてのレポートをまとめて書きます。

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着いて最初に聴いたのは、パイプオルガンのコンサート。1曲目は誰でも知っているクラシック曲No. 1ともいえるメンデルスゾーンの「結婚行進曲」でした。まるでオーケストラのように大ホールいっぱいに響きわたるオルガンの華やかかつ重厚な音色と、ホールの奥のステージのそのまた後ろのオルガン席に小さ〜く見えるオルガニストの姿が、あまりにも対照的です。あの小さな人影がこの大音響を一人で操っているのです、すごいなあパイプオルガン。2曲目の「赤とんぼ」をモチーフにした曲では、全く違う繊細な音色、音量もぐっと小さくなりました。このあたり、パイプオルガンの楽器の仕組みや音色の話など、少しトークがあると面白かったのになあと思いました。最後は「ウエストミンスターの鐘」をモチーフにした曲。「ウエストミンスターの鐘」とは、学校のチャイムに用いられているキーン・コーン・カーン・コーン(ミ・ド・レ・ソ、ソ・レ・ミ・ド)のあれです。一緒に聴いていた娘に「ほら、学校の!」と耳打ちすると気付いた様子で、現代的な和声の曲でしたが、興味を持って聴けたようでした。3曲で15分。体験コンサートとしてはちょうど良い長さかもしれませんね。
後に参加したバックステージツアーでは、このパイプオルガンにまつわるウンチクもあれこれ聞いたのですが、中でもこのパイプオルガンは日本で最も演奏される機会の多いオルガンの一つであるという話は印象的でした。こうしたミニミニコンサートを含め、出来るだけオルガンを演奏してもらう機会を作るよう、ホール側で欠かさず努力をしているそうです。
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↑パイプオルガンと、後述のビッグバンドのプログラム。

午後は、前回レポートしたギターコンサートを聴いた後、すぐお隣のレセプションルームで行われたウクレレ&パーカッションのコンサートへ。
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こんな感じの明るいお部屋で、横浜港に面した景色が楽しめます。普段はコンサートの後の関係者パーティなどに利用されるお部屋だそうです。写真は開演前の準備中。(屋上庭園で開催の予定でしたが、暑さのため室内に変更されたようです。)
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開演一曲目の「カナリオス」で、もうあっという間にラテンリズム全開の心地良い世界へ連れて行かれてしまいました!
パーカッション奏者の身体の動き、大好きなんです。身体の内側からリズムが溢れてくるようで、見ていてとても気持ちよいです。そこへバロックギターさながらのウクレレを富川さんが乗せて、8分の6拍子と4分の3拍子が入れ替わる楽しいリズムがノリノリで展開・疾走。ウクレレとマリンバはどちらも音が軽やかで優しく、相性抜群でした。富川さんが「カリブっぽい」と表現されていましたが、確かにマリンバとスチールパン、どちらも音程の取れる打楽器で感じが似ていますね。その後演奏された曲も、どれもとても楽しかったです。バックステージツアーの集合時間がせまり、後ろ髪を引かれながら途中退室しました。この組み合わせでメキシコ民謡の「エストレリータ」とか、ラウロの「ベネズエラワルツ」とか、面白そうだなー。鰻の焼ける匂いでご飯をお代わりできる的な、「カナリオス」聴いての妄想コンサートを脳内お代わりして楽しみました。

バックステージツアーから戻って、夕方最後に聴いたのは中高生からなるビッグバンドのジャズコンサート。みなとみらいホール自体が運営しているバンドで、週1回プロの指導を受けながら練習を積んでいるとのこと。とても上手でびっくりしました!時々近所のホールで近隣中学高校の吹奏楽部のコンサートを聴いたりしますが、金管楽器って意外と音程取るのも難しいみたいですよね。そういう基礎がばっちり出来ていて、その上でのアンサンブル。ステージ前方に出てきてマイクの前でのソロ演奏も堂々としていて立派。テンポの良い女子の司会も聞きやすくて好感持てました。近所だったら娘が入会したがったかもしれません。中高生と聞いて、親近感を持って楽しく聴いていたようでした。

前回レポートしたギターコンサートも合わせて、これだけの音楽を楽しんで無料!!横浜市、太っ腹です。ありがとうございます。横浜市民の皆様、返礼品につられてふるさと納税なんかせず、ぜひ税金は横浜市へ納めてくださいね・笑。

次回はいよいよバックステージツアーについて書いて、このシリーズを完結したいと思います。お楽しみに!








# by yuko_kodama | 2019-08-15 21:44 | ライブ、コンサートの話

遊音地@横浜みなとみらいホール〜その1

おかげさまで、7月28日のカフェ・コンサートも色々なお客様に楽しんで頂くことができました。ご来場くださった方、行けないけど応援してくださる方、皆さまいつもありがとうございます。

昨日はみなとみらいホールまで、ちょっと足をのばして出かけてきました。普段、横浜駅は毎週レッスンで利用していますが、その先のみなとみらい線を利用することは滅多にありません。みなとみらい駅も初めて降りました。

さて、この日の目的はこれ!
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みなとみらいホールの親子向けオープンイベント「遊音地」!兄弟子ギタリスト富川勝智さんが出演されるということで情報ゲット。
11:00〜16:00のイベント時間中、プロ奏者による15分から30分のミニコンサートがホール内の色々な場所で催される他、中高生ビッグバンドのコンサートや、オーディションで選ばれた小中学生バイオリニストたちの「金の卵コンサート」など、子ども達が出演するコンサートもありました。私も小学生の娘と一緒に、パイプオルガン、ギター、ウクレレ&パーカッション、ビッグバンドのコンサートを楽しみ、さらに朝一番で並んで申し込んだバックステージツアーにも参加できました。とても楽しいイベントで、一回では書き切れないので、まず今回は私にとってのメインイベント、富川勝智さんのコンサートについて書きますね。

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富川さんのソロコンサートは、小ホールでの「名曲コンサート」を鑑賞。富川さんの演奏はこれまで数多く聴いていますが、おそらく「アルハンブラの想い出」と「アストゥリアス」は初めて。どちらもとても良かったです。
「アルハンブラ」はとにかくトレモロの名曲ということで、鑑賞する時もトレモロの粒がどうの、速さがどうの、という話になりがちですが、全体の和声感とか、トレモロの下で動いている中声部と全体を支えるベースラインの立体感などは、意外とこれまで見逃していたかもなあと、その演奏を聴きながらアランブラ(スペイン語ではこの発音です)の景色を思い浮かべました。そこに意識が向くと、当たり前といえば当たり前ですが、何ともスペインな雰囲気の曲!「アラビア風奇想曲」や「ムーア風舞曲」ほどあからさまではないですが、この曲にもターレガが作曲に取り入れたアラビアンテイストが盛り込まれていたのですね。
「アストゥリアス」は、この曲の原題ではありません。もともとは「レイエンダ(伝説)」という副題のついた前奏曲です。この日の富川さんの演奏では、中間部の妖しくも美しい歌い回しがまさに「レイエンダ」。原曲のピアノでは表現できないビブラートやアラストレは、この曲をギターで表現することの魅力と喜びに満ちていて美しかったです。この曲全体を支えるすっきりと伸びのある低音はアルカンヘルならではと思いました。この曲を聴いて面白いなあと思うのは、最後の一音。ジャラーンとフォルテのラスゲアードを鳴らす人、ポンとピチカートでピアニシモにする人、奏者によって全く違って「どれが正解」というのはなさそうです。富川さんの最後の一音も、私の覚えているどれとも違っていました。結局、そこまでどう弾いてきたか、によって導き出される最後の音が決まるのですね。とても興味深いです。

ギターの名曲も色々ありますが、スペインものだけで「名曲コンサート」が成り立つのは、やはりギターという楽器とスペインの関わりの深さゆえです。にも関わらず、最近はスペインらしいギターを聴く機会がどんどん少なくなってきていると個人的に思います。汎ヨーロッパ的なクラシック音楽としてのギターだけでなく、この日の演奏のようなどこを切り取ってもスペインらしいギター演奏も、若い世代の人たちに広く知られてほしいと思っています。











# by yuko_kodama | 2019-08-13 14:46 | ライブ、コンサートの話

7/28(日)カフェコンサート出演


先日の「佐々木巌ギターリサイタル」では、平日夜間の開催にも関わらず、たくさんの方に足をお運び頂きまして、本当にありがとうございました。佐々木巌くんの演奏は素晴らしいものでした。初めて演奏した「アランフェス協奏曲」も、若々しく勢いのある、それでいて心からの歌のにじみ出る、良い演奏だったのではないかと思います。私たちのオープニングでの二重奏は、まだまだ練習も研究も足りませんでした。次に向けて頑張りたいと思います。

さて、次回はこちら!
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国分寺駅から徒歩3分という便利な場所でのカフェコンサートです。普段、川崎・横浜方面でのコンサートは遠くて…とお思いの方、ぜひお運びくださいませ。ご予約は、私のメールでも受け付けております。どうぞ宜しくお願い致します。

プログラムはウクレレソロ、ウクレレ&ギターのデュオ、私のギターソロ、ギターデュオ、さらにウクレレ&ギター2台のトリオまで盛りだくさんの30分×2ステージです。

皆さまのお越しをお待ち申し上げます!









# by yuko_kodama | 2019-07-15 09:58 | ライブ、コンサートの話

佐々木巌ギターリサイタル&手塚教室発表会

コンサートのお知らせです。
7月5日(金)、長津田駅前のみどりアートパークホールにて「佐々木巌ギターリサイタル」、19時開演です。
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昨年のアンドレス・セゴビア国際コンクールでの優勝は記憶に新しいところですが、さらにさらに進化中の佐々木くんが、今回は初のコンチェルトを演奏!「アランフェス協奏曲」を名手高木洋子さんと聴かせてくれますので、どうぞご期待の上お出かけくださいませ。
私は杉本みどりさんとのデュオで、オープニングにアルベニス「タンゴ」、ソル「アンクラージュマン」の2曲を演奏致します。

コンサート開演前には、17時より手塚教室発表会があります。こちらは入場無料ですので、お時間のある方はこちらもお楽しみください。
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教室発表会というのは興味深い催しです。門下生の演奏を一堂に聴くと、先生のカラーがはっきりと表れます。手塚先生のギターの音色に対する考え方が、きっと伝わることでしょう。レヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサ先生直伝のスペインの音が、現代の日本で生き生きと奏でられていることをぜひ知ってください。

皆様のご来場をお待ち申し上げます。









# by yuko_kodama | 2019-06-22 09:47 | ライブ、コンサートの話

アンサンブル・フェスティバル2019 無事終了

アンサンブル・フェスティバル2019、お陰さまをもちまして無事盛会のうちに終了致しました。ご出演頂いた各グループの皆さま、ご協力頂いたスタッフの皆さま、そしてご来場くださいました全ての皆さまにお礼を申し上げます。

出演のグループはだいたい毎年同じ顔ぶれですが、年々演奏がレベルアップしているね、というのが出演者同士の感想です。今年は郡山から「ドゥノール」さんに初出演でお越し頂きましたが、こちらも堂々とした演奏、少人数ならではのまとまりの良さ、聴きやすくて魅力的なプログラムなど、多くの良い刺激を頂きました。

私は「アルカンヘル」四重奏、合奏「カンパニージャ」の2グループに出演。メンバーが送ってくれた録音も確認して、なかなかの出来にほっと一息ついたところです。

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「アルカンヘル」はとても楽しく活動しています。一番の理由は、同じ手塚門下同士「良い音、良いギター、良い音楽」についての大前提が何も言わずとも通じているところ。もちろん今後に向けての課題はありますが、息長く活動して私たちならではの良さ、なんといってもアルカンヘル4本という貴重な音を大切に、色々な曲を弾いていきたいなと思っています。今のところプログラムにはあまり一貫性がないというか、まあ手当たり次第弾いているというところは否めませんが、どの曲にも実は「この音を聴いてほしい!!」「これぞアルカンヘルの音!!」というポイントが必ずあります。今度はそのへんを手元にお配りするプログラムやプロフィールなどに書いておくのも良いかもしれないと感じました。


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「カンパニージャ」では大合奏ならではの迫力ある演奏を楽しむことができました。実は、当日朝のステージリハーサルで急遽パートの入れ替えをしたり、直前まで仕上がりには不安がありました。しかし、そうしてまで全体のバランスを整えたことが奏功し、本番の演奏はメロディが前面に出た聴きやすくて勢いのある素晴らしい仕上がりになりました。直前の変更に動じない、力のあるメンバーがいることはもちろんですが、普段から実直に練習会に欠かさず参加するメンバーが屋台骨を支えてくれているお陰でこうした荒技も決まるのです。こんな、よく言えば臨機応変、直前まで何が起こるか分からないスペイン式の手塚先生のやり方も、私が楽しくカンパニージャで活動できる理由の一つかな?笑



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第2部の「EL TANGO」のお2人の演奏は、残念ながら客席では聴けませんでしたが、前半は舞台袖のアナウンス席で、後半はロビーのモニタースピーカーから、聴いていました。
3日前には直々にカンパニージャに対してタンゴのレッスンをして下さったお2人。そのレッスンの記憶も新しい中で聴いたので、本場のリズムやバンドネオンの「泣き」の歌い回しの実演に接し、さらにたくさんの得るものがありました。(バンドネオン、後で考えるとちょっと尺八みたいと思ったりして。)また、直前に読んだ新聞記事でのバンドネオンの奏法(かかとを落とすことで鋭いスタッカートを実現する)なども、目の前で確認できて面白かったです。本場のアルゼンチン・タンゴ、また聴きたいですね。

彼らの演奏とは別に、大ホールでの公演を主催することが少なく、普段はクラシックギターの生音が当たり前のカンパニージャとしては、PAの調整に手こずってしまった面はありました。フェスティバル後半のゲスト演奏で、ステージリハーサルの時間が限られたことも拍車をかけました。そのあたりは主催側として、次回以降の運営面での課題を心に留めておこうと思います。

いずれにしても、気がつけば今年で7回目を迎えたらしいこのフェスティバル、今後も楽しく続いていってほしいと思います。今後ともどうぞ応援よろしくお願い致します!
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# by yuko_kodama | 2019-06-12 08:10 | ライブ、コンサートの話

バンドネオンとタンゴ

バンドネオンという楽器とタンゴについて、少し考えてみました。

今週末の土曜日は、アンサンブル・フェスティバル2019の本番です。ゲストコンサートの部に出演されるギターとバンドネオンのデュオ“El Tango”のお2人も無事に到着され、昨日はアンサンブル「カンパニージャ」にタンゴのレッスンをして下さいました。今回のフェスティバル、カンパニージャでは「ラ・クンパルシータ」と「リベルタンゴ」の2曲のタンゴをプログラミングしています。もちろん、ゲストの彼らに敬意を評してのプログラム。

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さてレッスン開始。
1曲目「ラ・クンパルシータ」を聴き終えると、
「タンゴの雰囲気を感じてもらおうと、楽器を持ってきたよ」とおもむろにバンドネオンを取り出したのはオルランドさん。どうも我々の演奏には、まだタンゴらしさが欠けていたようです。

「もっとスタッカートを効かせて、こんな風に。ギターだと難しいかもしれないけど。
ザッザッザッザッ!
「その後はうんとレガートに」
ブォーンブォーン!
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いや、参りました。
バンドネオンすごい。

実際のレッスンではこの後、ギターのカルレスさんが、これらの表現をギターで実現するには、という実践的なテクニックを教えて下さったのですが、帰り道も私の頭の中はバンドネオンでいっぱい。あの、いかにもタンゴな軽くキレのあるスタッカート、そして重みのあるレガート、圧倒的な音圧のロングトーン。

ブォーンザッザッザッ、ブォーンザッザッザッ

ん?待てよ?
バンドネオンの楽器としての特徴がいかにもタンゴらしいのか?
卵が先か、鶏が先か。
タンゴという音楽そのものが、バンドネオンの得意な表現に合わせて進化してきたのかも?

軽いスタッカートは、ボタン式のキーボードならでは。アクションが少ないので一瞬で音が出て、指を離せばすぐに音が消える。ギターなどの弦楽器では弦の振動を消さないとスタッカートになりません。(カルレスさんは開放弦を使わずに左手を離すことでスタッカートを実現していました。)ピアノは構造が複雑なので、音を出すにも消すにも少し時間がかかる。やはりバンドネオンのようにはいかないのです。
重みをかけて引っ張るような一拍目のアクセントも、まさに「引っ張る」アクションで発音するバンドネオンだから実現しやすいような気がするし…。

そういえば、レッスンでは興味深い話もありました。私たちの使っていたギターアンサンブル用に編曲された「ラ・クンパルシータ」は4分の2拍子で書かれていたのですが、オルランドさんの話では、それはとても古いタンゴのスタイルだとのこと。昔は4分の2拍子で捉えて、もっと速く演奏されていたのだけど、今はタンゴは必ず4分の4拍子で、4つの四分音符を強・弱・中強・弱のアクセントをつけて捉えるものだと。そして一拍目のアクセントは重みをのせて引っ張る、後の3つはスタッカート。
ブォーンザッザッザッ
でも、逆にいうと、古い時代は今のようなタンゴの拍感ではなかったということ。
古い時代?バンドネオンの登場っていつだろう?

目の前でバンドネオンを聴いてきて、私の今の感じとしては「現在のタンゴの表現はバンドネオンが作ったものだ」という方に傾いていますが、バンドネオンとタンゴ。
どちらが鶏でどちらが卵なのか。

正解は分かりませんが、
どうぞこのバンドネオンの圧倒的なまでの「タンゴ感」を目の前で味わいに来てください。
6月8日(土)、大田区民プラザ大ホール 午後3時開演です!!
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# by yuko_kodama | 2019-06-06 04:50 | クラシック音楽の話

武満徹の「うた」The Complete

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5月29日(水)神楽坂TheGleeにて「Acaustic Ladyland(アコースティック・レイディランド~通称アコレデ)」のライブを聴いてきました。アコレデは、ボーカルの石塚裕美さん、ギターの富川勝智さんのお二人によるユニット。当夜のプログラムは、武満徹が残した21曲の“うた”全てを、ボーカルとギター1本で一夜にして披露するという企画で、世界初の挑戦とのことでした。素晴らしいライブでした。

富川さんのギターは、立ち上がりの速いきっぱりとした音で、ポップソング弾こうがハードロック弾こうが、いつでも芯には揺るぎないクラシックギターらしさがあります。今回も、武満の捻りの効いた和声を、前に出てくる音、奥で響く音、中間で漂っている音など絶妙なバランスで弾き分け、とても立体的な表現でした。
「見えない子ども」のモダンな和声でのアルペジオは、エドゥアルド・サインス・デ・ラ・マーサの「プラテロ」を彷彿とさせます。「恋のかくれんぼ」ではギターの間奏がとても印象的。「燃える秋」や「三月のうた」などドラマチックで壮大な雰囲気のうたも、「〇と△の歌」や「明日ハ晴レカナ曇リカナ」のような短くて童謡のように可愛いうたも、ギター1本でよくここまで雰囲気を変えて伴奏できるなあと思います。伴奏がギター1本であることは、引き算の美学でしょうか。シンプルなギターだけの伴奏が、「詩」の世界を際立たせていたように思います。器楽作品をメインに書いてきた武満だからこそ、“うた”を書くにあたって歌詞に重きをおいたことは想像に難くありません。

裕美さんの歌は、歌詞に合わせ、曲に合わせ、様々な声と歌い方を使い分け、その幅広さと奥深さには驚かされます。歌詞に合う声でダイレクトに曲の世界を表現していくことで、前述のとおり詩の世界が際立つことはもちろん、もうひとつ気付いた点は、こういう手法がむしろクラシックの演奏家の姿勢に近いのでは、ということです。楽譜の一音一音に合う音を探して表現する富川さんのギター、歌詞の一言一言をどう歌ったら伝わるか考えぬく裕美さんの歌。だからお二人の相性がいいのかもしれません。そして、当時のクラシック音楽の巨匠作曲家の手によるポップソング、クラシック音楽の語法を用いて、最もクラシックギターらしい音色で奏でられるポップな伴奏、純粋にポップミュージックの世界に育ちながらクラシック音楽のような手法で表現するボーカル。このポップスとクラシックの大変面白い絡まり具合も、アコレデ×武満ならではだったと思いました。

個人的に面白かったのは「ワルツ~他人の顔」。この曲は以前、ヤマハのレクチャーコンサートのために富川さんの手でギター五重奏にアレンジされたものをYouTubeで視聴して、「ワルツ~仮面舞踏会」(ハチャトゥリアン作曲)に似ているなあと思ったのですが、この夜日本語歌詞で裕美さんが歌うのを聴いたら全然違う印象で、いかにもサスペンス映画の挿入歌という仕上がり。ところが、同じ曲をアンコールでドイツ語歌詞で聴いたところ、ドイツ語の硬くてゴージャスな語感がもたらすものなのか、またハチャトゥリアンの雰囲気に近い感じに聴こえたのです。音楽と歌詞のある歌の面白さの真骨頂を聴いた気分でした。

これだけの素晴らしいライブ、準備には相当の労力があったことと思います。Completeでの再演は難しくても、アコレデの最重要レパートリーとして、今後のライブでも披露される可能性があるかな?と期待しております。お聴き逃しになった方は、今後のアコレデライブも要チェックですよ!











# by yuko_kodama | 2019-06-03 23:36 | ライブ、コンサートの話

ギターアンサンブルフェスティバル2019

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今年もこの季節になりました!
ギターアンサンブルフェスティバル2019、
6月8日(土)大田区民プラザ大ホールにて12時開演の予定です。
それぞれに異なる個性のギターアンサンブルをたくさんの方にお楽しみ頂きたく、ご案内致します。

アンサンブルフェスティバル終演後は、地球の裏側アルゼンチンから、バンドネオンとギターのタンゴデュオをゲストにお招きしております。こちらも貴重な機会となりますので、どうぞ併せてお聴き頂けましたら嬉しいです。
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私はフェスティバルの部にて、「アルカンヘル四重奏」と「カンパニージャ」の二つのアンサンブルで出演致します。ソロの本番は怖いけど、なぜかアンサンブルの本番は楽しみ!









# by yuko_kodama | 2019-05-28 21:33 | ライブ、コンサートの話

フルート&ギターのコンサート終了

4月20日(土)、下丸子の大田区民プラザ小ホールにて、フルート&ギターのコンサート無事に終了致しました。お越しくださった皆様、どうもありがとうございました。

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フルートのアンジェロ・ルジェーリさん、ギターのジュゼッペ・デル・プラトさんのお二人は、主にヨーロッパで活躍されているデュオで、今回が初来日とのこと。すでにCDを2枚リリースされている常設デュオで、今回のコンサートもその2枚のCDから素敵な音楽をたっぷりとお聴かせくださいました。

情熱的で感情豊かなフルートは高音から低音まで素晴らしくよく歌い、比較的冷静なギターが絶妙なバランスで支えている感じ。現代の作曲家の作品や、デル・プラトさんご本人の作曲作品など、軽めでポップな雰囲気の選曲ながら、その演奏力の高さでがっつりとクラシックのテイストを楽しませて頂きました。クラシックコンサート初心者にもおすすめできる内容だったなと思います。再来日の機会があれば(今のところ未定)、ぜひ皆様におすすめ致します。

聴きやすい曲が並んだコンサートではありましたが、最初の1曲に彼らが選んだのは、デル・プラトさんが作曲された「光の反射」という現代音楽作品で、リナーレスのセゴビア博物館を訪れた際にインスピレーションを受けて出来た曲とのこと。セゴビア作曲の「光のない練習曲」のイメージを曲中に盛り込んだ、とても美しい作品でした。私が今回のコンサートで一番気に入った曲です。今回の来日でも、何かインスピレーションを受けて新たな作品が誕生するでしょうか?

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私は、合奏団「カンパニージャ」として、オープニング演奏をしました。写真は、ギタリストのデル・プラトさんをソリストに迎えてのヴィヴァルディの協奏曲。美しいギターソロを際立たせるために、合奏団は普段の半分以下の音量で。同じ舞台の上から、軽やかな本場イタリアのヴィヴァルディを楽しみました。
その前、一曲目は江部賢一先生編曲「日本民謡メドレー」で、手塚先生がカンパニージャの編成に合わせて少し編曲に手を加え、聞き応えのある曲になりました。録音を確認しましたが、演奏もなかなか良い雰囲気です。

同じ曲を、6月8日(土)に今度は大ホールにて演奏致します。恒例となった「ギターアンサンブル・フェスティバル」は入場無料です。フェスティバルの後は、遠く地球の裏側アルゼンチンからギターとバンドネオンのデュオをお迎えして、タンゴの演奏をお楽しみください。こちらは有料公演です。次回のカンパニージャ主催公演も、どうぞ宜しくお願い致します!










# by yuko_kodama | 2019-04-23 09:12 | ライブ、コンサートの話