2006年 03月 29日 ( 1 )

音、聴いてますか?②

昨日の続きで、「自分の出した音を聴く」ということについて、もう少し考えてみます。

ギタリスト富川氏のブログには、2回にわたってアポヤンド、アルアイレについての持論が掲載されていて、大変面白い。
ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室
この中で、富川氏が結論的に述べている以下の意見に、大変共感をおぼえました。

アポヤンドとアルアイレの区別は便宜的なもので、大切なのは「自分がどのような音を出したいか?」を考え、それから「それを楽に行うにはどのような手や指の動きを行えば良いか?」を考えることなのです。

アポヤンドで弾くのか、アルアイレで弾くのか、が大事なのではない。大切なのは、自分の求める音がどんな音色なのかということ。私も、同じ考えです。
もちろんこれは、基本的な演奏技術を身に付けて、すでに様々な曲を演奏しているレベルの人についてのことであると思います。(ギターを始めて間もない、入門~初級レベルの方に対しては、私はある程度の基準として、「ここはアポヤンドしましょう、ここはアルアイレで」という指示をしています。)

で、話を戻すと、「どういう音色を自分が求めているのか」を考えて実行するということは、「自分の出している音色に、常に注意をはらうこと」を要求します。「アポヤンド」とか「アルアイレ」とか、弾き方にこだわる人ほど、もしかしたら自分の出す音に無頓着かもしれません。「こういう音が出したい」という明確なイメージを持つこと、そして、自分の音にしっかり耳を澄ますこと、このふたつが美しい音色(自分の思い描くとおりの音色)を出すために必要なことだと思うのです。

こうして音色の話をずっとしているのは、私がギターの美しい音色が大好きで、それをもっと美しく響かせるにはどうしたらよいか、ということを、いつも考えているからです。そして、その美しい音色こそ、人の心に響く音楽を作り出すために必要不可欠なものであると思うからです。

趣味でギターを弾く多くの人は、「自分のギターで人を感動させる」なんて、あまり考えていないかもしれません。でも、聴く人は、「難しい曲」や「間違いのない演奏」に感動するわけではないと思うのです。
どんなに易しい曲でも、美しい音色で、音楽的な表現をし、心をこめて演奏すれば、聴く人の心に響きます。逆にいえば、ものすごく難しい曲をミスなく弾いても、音色と表現と心がともなわなければ、「すごい」と思うことはあっても、「素晴らしい」と感動することはないのではないかと思います。
私のところに習いに来る人には、ぜひ、「易しい曲でも美しく」を目標に頑張ってもらいたい。だからこそ、「自分の音を聴く」訓練をして、ギターの音色にを大切に考えてもらいたいと思います。
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by yuko_kodama | 2006-03-29 23:30 | ギター音楽の話