スポーツと楽器演奏

楽しみに観戦していたテニスのウィンブルドン選手権が閉会してしまいました。私は現在、ものすごく運動不足なのですが、見るほうは大好きで、オリンピックなんか開催されたら、練習どころではないほどです。

ギター教室には、スポーツを趣味にされている生徒さんもいらっしゃいます。実は全然関係ない趣味のようでいて、意外と共通点があるなぁ、と最近感じます。
体を使うことに慣れていると、全身の筋肉や骨格の状態に注意を払う習慣があり、ギターを弾くときのフォームや左右の手の使い方についての私の細かいアドヴァイスも、実感としてすぐに伝わるようです。また、スポーツで培った「練習を上達につなげる」という経験そのものが生きてくる場合もあります。つまり、練習のやり方が上手なのです。

そんな生徒さんのレッスンで印象的なシーン。あるとき、曲の中で少し難しいフレーズに出会い、そこだけがうまくいきませんでしたが、私のアドヴァイスを聞きながら何度かトライするうちに、ある拍子にすっと弾けたのです。その時の彼の言葉がこうでした。「今、出来ました!1度出来たということは、自分の中には出来る能力があるということですね。練習すれば、ちゃんと再現できると思います。頑張ります。」
こんなとき、「今のは偶然だから、もう1度やれって言われても出来ないよ。」なんて、思ってしまいがちです。でも、スポーツでの経験から、例え偶然であれ1度でも出来たということは、練習によって確率を高めることが出来ると、彼は知っていたのです。素晴らしいですね。

昨日のニュース番組のスポーツコーナーでは、「古武術」を紹介していました。西洋式の動き方・考え方とは違うやり方で効率的に体を使い、大きなエネルギーを生み出したり、素早い動きを実現したりする古武術。ギター演奏に置き換えれば、弦を押さえたり弾いたりする指や手だけに注目するのではなく、頭から足まで全身の力をうまく活用して演奏する・・・ということになりそうです。全身の体のしくみを理解して、それをうまく活用して演奏するという意味では、私が現在勉強しているアンドーヴァーレッスンと似ているようにも思います。井桁典子先生が教えてくださるアンドーヴァーレッスンでは、毎回、自分が思いもしない筋肉がギター演奏のために活躍することを教えていただき、目からウロコが落ちます。そして、井桁先生も最近、スポーツ選手の言動に注目していらっしゃるとのこと。やはり共通点を感じておられるようでした。

楽器演奏も、大きな意味で捉えれば、体を使う「運動」に他なりません。スポーツ観戦をとおして演奏のことを考える機会が、意外と多いことを感じています。
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by yuko_kodama | 2007-07-10 23:59 | その他の話
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