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指揮者 大野和士~「プロフェッショナル」(NHK総合)

先日、NHK総合の「プロフェッショナル」という番組に、ヨーロッパで活躍する若手日本人指揮者の大野和士氏が出演されていました。

大野氏は、一昨年パリでのオペラ上演に際して、オーケストラのストライキという危機を、急遽、ピアノ3台ほかを用いた縮小編曲という大技で乗り切り、現地の新聞評などで絶賛されたことが、日本でも大きく報道されました。けれども、基本的に活動の舞台がヨーロッパなので、気になる存在でありながらも、私の目(耳)に触れる機会がなかったのです。今回その大野氏を、トーク&ドキュメントで紹介するこの番組で見られたことは、とても嬉しいことでした。

大野氏は特にオペラの指揮に定評があるそうです。上演に際しては、歌手の歌っている歌詞の細かいセリフひとつひとつ、物語の背景などにまで気を配りながら、作品と対話を繰り返し、その音楽世界を構築していくとのことでした。実際にスタジオでは、ヴェルディのオペラ「椿姫」序曲のピアノ版を演奏しながら、その解釈を紹介。大変に興味深いものでした。

「椿姫」といえば、クラシックギターの世界ではターレガ(一説にはアルカス)による「椿姫のモチーフによる幻想曲」が大変有名で、人気もあります。今回、番組で大野氏の解説を聞きながら、オペラ「椿姫」を聴きたくなり、さらに、いつか自分でも「椿姫幻想曲」を弾きたいなぁ、などと考えました。
ターレガ(アルカス)のギターによる幻想曲は、当時人気のあったイタリアオペラにモチーフを借りて、大衆の人気を集めながらギターを広めよう、というようなたくらみが透けて見えます。そのため、「椿姫」の物語が本来持っている悲劇性よりも、ギターによる技巧的な表現を重視して、それに合うようなモチーフが多く採られていると思います。それが難しいところではありますが、でも、いつか自分なりの表現で演奏できたらなぁ・・・と思いました。

大野氏は、ワーグナーのオペラ上演でも絶賛を浴びたそうです。まだ指揮者としては若い46歳。ミーハーながら、今後の活躍に注目していきたいと思います。
by yuko_kodama | 2007-02-03 01:28 | メディア(番組・記事)紹介
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