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アーメット・カネッチ&アンサンブル“カンパニージャ”

10月にはいって、はや10日。すっかりブログもご無沙汰していました。

さて10月8日(土)、渋谷駅からほど近い(と言われていた)ケアコミュニティ美竹の丘ホールにて、トルコから来日中のギタリスト、アーメット・カネッチ氏のリサイタルが行われました。コンサートの前半は、アンサンブル“カンパニージャ”が前座をつとめました。

今回のホールは、渋谷区の老人施設に併設されている多目的ホールで、とても新しくきれいな場所です。ステージでの音響もよく、手元の音がよく聞こえるのが嬉しいです。ホール内も、残響は少ないものの、ギター演奏にはほどよい大きさです。営利目的のコンサートは、原則として出来ないようで、残念です。(今回は、トルコ大使館の応援により実現しています。)

コンサートは、アーメット・カネッチ&手塚健旨 のギター二重奏で開演。その後、女性合奏で、トルコ民謡「アイ・グース」や日本民謡が演奏され、さらにカネッチ氏をソリストとしてヴィヴァルディの協奏曲が演奏されました。
その後、カンパニージャの全体合奏で、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」から「マーチ」と「花のワルツ」の2曲、そしてビゼーのオペラ「カルメン」をメドレーに編曲した楽しい「カルメン幻想曲」(手塚編)から、有名な「ハバネラ」「間奏曲」などを含む第2楽章、「闘牛士の歌」をメインにした第3楽章。最後に、スペインの音楽パソドブレの有名なメロディ、「エスパーニャ・カーニ」が演奏されました。

後半は、カネッチ氏のリサイタルです。
彼の持ち味は、ふくよかでやさしい音色と豊かな叙情性です。ハーモニーの響きを大切にする演奏スタイルで、決してキツイ音でがんがん弾くようなことがありません。まさに「ギターを奏でる」といった感じ。トルコ民謡の不思議なメロディに添えられる美しいハーモニーが、エキゾチックな雰囲気を盛り上げます。押しつけがましさが全くなく、自然と音楽に惹きこまれる・・・そうした魅力に溢れていました。
有名で有能なギタリストは世界中にたくさんいますが、彼のような独自の世界を持っている「オンリー・ワン」ギタリストは、なかなかいないでしょう。貴重な演奏会だったと思います。会場はほぼ満席で、終演後は「ブラボー!」が飛び交い、アンコールを求める拍手が続きました。求めに応じて、簡略版「アストゥリアス」(中間部なし)を演奏してくださいました。

来日直後とあって、時差ぼけなど体調面は万全ではなかったようですが、素晴らしい演奏でした。ありがとうございました。またの来日を期待したいと思います。
by yuko_kodama | 2006-10-10 10:05 | ライブ、コンサートの話
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