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音、聴いてますか?

自分のギターがどんな音を出しているのか、自分の指からどんな音が紡ぎだされているのか、しっかりと聴いているでしょうか?

最近のレッスンで気になったことのひとつが、「自分で出している音を聴いていない」現象。
レッスンの冒頭、練習してきた曲を弾いていた生徒さんの音が、だんだんとヒステリックに硬質になっていく。見ると、右手がほとんどブリッジ間際で弾いているのです。そのことをアドヴァイスすると、「気付きませんでした」と言われたり、「前の先生にもよく注意されたのですが、そういう癖があるようです」という人もいました。
なぜ、気付かないのでしょう?それは、自分がどんな音を出しているかを、きちんと耳で確かめていないからです。

自分の演奏を客観的に聴くというのは大変難しいことで、そのために私もよく、自分の演奏を録音して聴いたりします。私の場合、主にこれは曲全体のバランス(たとえば、強弱のつけ方、フレージングなどの細かな問題)をみるためです。自分が考える曲の表情が、思い描いたとおりに表現できているかを、他人として聴きたいわけです。なぜなら、音を聞くのは「耳」であっても、聞いた音を情報にするのは「脳」なので、自分の思い込みによっては、正しい(=客観的な)音の情報を拾うことができないからです。

さて、肝心の音色についてですが、これは、訓練して自分の音を聴ける意識を作るしかありません。演奏しながら常に音色を聞ける耳を作らなければ、タッチの勉強ができないからです。録音では意味がありません。(それに、録音で生音と同じ音を再現できるとも思いません。)
私自身の感覚でいえば、音色を感じることは、曲の表現を客観的に聴くことに比べれば、全く難しくないと思います。ただ、「聴く」ということを意識して演奏するだけで、ずいぶん違ってくるでしょう。実際に、上記の生徒さんには、今書いたようなことを説明したうえで練習してもらったところ、翌週には見違えるほどキレイな音色で弾いてくるようになりました。
今までは、楽譜どおりの音を出すことだけに集中していた意識を、「音色を聴く」ことにも振り向けてみてほしい。自分のギターがどんな音を出しているか、少し意識して練習してみてください。そうすれば、冒頭に紹介した例のように、気付かないうちに右手がブリッジの際までいってしまうこともなくなるはずです。だって、もしそのような状態になれば、さっきまで出していた音とは全く違う音色が鳴っていることに気付くはずですから。

先生についてギターを習っている人は、今書いたような状態になれば先生が助けてくれるでしょう。けれども、独学でやっている方、昔は習っていたけど今は先生についていないという方などは、この「聴いていない」落とし穴にはまっている可能性があります。美しい音色が聴く人に伝わってこそ、音楽が生きてきます。自分の音色をよく聴いて練習してくださいね。
by yuko_kodama | 2006-03-28 00:01 | ギター音楽の話
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