マリア・エステル・グスマンとアンサンブルのコンサート

昨日10月10日(月・祝)は、スペインからマリア・エステル・グスマンさんをお迎えしてのコンサートでした。私もアンサンブル「カンパニージャ」のメンバーとして出演させて頂きました。

コンサートは、前半がギターアンサンブル、高木洋子さんによるピアノ・ソロ、手塚健旨先生とマリア・エステルのギター・デュオでビゼーの「カルメン」より3曲。休憩をはさんで、ピアノと2台ギターのトリオで1曲、その後は予定を大幅に変更して、たっぷりとマリア・エステルのギターソロでした。

この日楽しみにしていたギター・デュオによる「カルメン」では、「ハバネラ」で目からウロコが落ちました。というか、目が点にもなりました。
私も尾野桂子さんと先日演奏しましたが、私たちの演奏の完成イメージには、常にオペラの演奏がありました。伴奏のハバネラのリズムを刻んだ私は、どうしたらチェロのように「ぶぉんっ!」と真ん中がふくらんだ音に似せられるかと試行錯誤して練習していました。でも、彼らの演奏は全く違いました。オペラのカルメンとは切り離されたギター音楽ならではの世界がありました。ハバネラのリズムは和音として重ね合わされて、ゆったりとしたリズムで進んでいきます。歌では息が続かないでしょうが、ギターでビブラートをかけながら歌わせるにはやりやすいテンポ設定ですし、伴奏の和音が響いていますから、うまい具合に音がふくらんで聴こえます。こういうやり方もあったか!という感じ。
私たちは自分たちなりのやり方でこの曲と取り組んできましたので、それを変えるつもりはありませんが、編曲ものを扱う上での一つの方法として今後の参考になりそうです。

マリア・エステルのソロをきちんとコンサートで聴くのは、私はとても久しぶりです。3年ぶりくらいでしょうか。その間に一番変わったのはピアニシモの扱いではないかと思います。
これまでも彼女のダイナミクスレンジは超のつく幅の広さでしたが、どちらかといえば演奏全体の印象としては「力強さ」が勝ると思っていました。昨夜のコンサートでは、どの曲にも耳を澄まして神経を集中させるようなピアニシモが散りばめられていて、それが素敵でした。特に、アンコールの最後に演奏された「アランブラの想い出」のイントロのピアニシモが素晴らしかった。トレモロで音量をコントロールするのは難しいことですが、特に小さい音を粒の揃ったよく通る音でトレモロするのは並大抵のコントロールでは出来ないことです。もちろん、そこに感動したのは全体としての音楽の奏で方の中で印象的だったからであり、単に難しいテクニックだからということではないのは言うまでもありませんが。

昨夜のプログラムは彼女自身が編曲したと思われる曲が中心で、ギターのオリジナル曲はアストゥリアスとアランブラだけだったと思います。映画音楽もとても素敵だったけれど、以前に聴いたソルやバッハとは違い涙が出るほどの感動に至らないのは、やはり私の好みがクラシック音楽の方を向いているからでしょう。また彼女のソルが聴きたいです。




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by yuko_kodama | 2016-10-11 12:56 | ライブ、コンサートの話
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