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天満敦子ヴァイオリン・リサイタル in パーシモンホール

2005年7月9日、目黒パーシモンホールにて行われた天満敦子のヴァイオリン・リサイタルへ行ってきました。

ヴァイオリン・リサイタルなんて、何年ぶりでしょう?
天満敦子さんの活躍は、テレビなどをとおして以前から興味を持っていたのですが、偶然このコンサートを知り、破格に安かったチケット価格のせいもあって衝動買いしたのが2月でした。待ちに待った今日、期待どおり、いや、期待以上の感動に大満足です。

目黒区主催による昼間のコンサートで、ファミリーコンサートといった趣が強く、プログラムは一般によく知られた曲を中心にしたものでした。
前半は、最新の録音のために作曲されたという小林亜星さんの小品をメインに、亜星さん本人と演奏者のトークを交えながらの楽しい構成。後半は、クライスラー、サラサーテといった王道レパートリーとバッハの「シャコンヌ」、それにトレードマークの「望郷のバラード」。
前半の軽めの曲と後半のクラシックの名曲中の名曲では、だいぶ音楽自体がもつ雰囲気が違う気はしましたが、どの曲にも丁寧に情感を込めて、たっぷりと歌い上げる演奏は圧巻。太く朗々と鳴り響く音、かすれた泣き声のような音、ささやきかけるようなピアニッシモ、音が消え入る瞬間まで美しいエンディングのディミヌエンド・・・どれをとっても、素晴らしく感動的な演奏でした。
長くパートナーをつとめているというピアニストとの呼吸の合い方が、また絶妙。ヴァイオリニスト本人がピアノの音も出しているのではないかと思われるほどの一体感でありながら、常にヴァイオリンを引き立てる立場に徹して半歩引いている。この名伴奏が、天満敦子の感動的な演奏を支えていることは疑いないでしょう。

音は弾いた瞬間から減衰していく一方であるギターという楽器を演奏する私にとって、弓奏であれ吹奏であれ、一旦発した音をクレッシェンドできる楽器は憧れの的。ギターにしかない素晴らしい点がいくつもあることは分かっていながら、そしてギターという楽器が大好きであるにもかかわらず、こんなコンサートを聴いた日は隣の芝生が青く見える・・・。いいなぁ、ヴァイオリン。

♪天満敦子 ヴァイオリン・リサイタル
Program
・アルマンド~無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番より (J.S.バッハ)
・ねむの木の子守歌 (山本正美/編曲:小林亜星)
・夏の思い出 (中田喜直/編曲:小林亜星)
・旅人の詩/睡蓮/夕暮れ/タンゴ・ハポネス (小林亜星)
・前奏曲とアレグロ/愛の悲しみ (クライスラー)
・シャコンヌ~無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番より (J.S.バッハ)
・ツィゴイネルワイゼン (サラサーテ)
・望郷のバラード (ポルムベスク)

(アンコール)
・北の宿から (小林亜星)
・アヴェ・マリア (シューベルト)

*1曲目に演奏されたバッハは、プログラムに掲載のない演奏だったため、記憶違いの可能性があります。ご容赦のうえ、ご存知の方は訂正をコメント欄に書き込んで頂けたらと思います。
by yuko_kodama | 2005-07-10 01:04 | ライブ、コンサートの話
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