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私のレッスン会場としては、横浜教室と国分寺Kスタジオは教室にギターがあるので、毎回手ぶらで出掛けることが出来て助かります。
先日はKスタジオでのレッスン後の空き時間を利用してちょっと新曲を練習してきました。教室のギターをお借りして、だいたいの感じを掴んで弾けるところまでさらってから帰宅。そして夕方、自宅で自分のギターで同じ曲をさらってみて、あらまあびっくり。こんなに弾けてないのか、自分!! 自宅ではもちろんアルカンヘルを弾きました。 アルカンヘルのすごさはここなんですね。 ものすごく純粋なギターの音が出るぶん、ごまかしがきかない。教室のギターでは適当にごまかせていた部分があぶり出されてしまい、慌てました。 でも逆に言うと、アルカンヘルを使っていると、こうしてギターが「ここがうまくいってないよ!」と勝手に教えてくれるんです。そして、丁寧にさらっていくうちに、アルカンヘルでしか鳴らない響きと歌い方が出来てきます。その最高の音を知ってしまうと、他の楽器は弾きたくないと思ってしまう。だから私は、ものすごくギターに鍛えてもらっていると思います。 生徒さんにはよくお話しますが、「高いギターは上手くなったら買います」では一生うまくなりません。演奏は良い楽器が育ててくれるものでもあるのです。アルカンヘルを弾くのは、確かに難しいと思います。でも最高に楽しくもあります。良い楽器と縁があったことを幸せに思います。 #
by yuko_kodama
| 2019-11-08 09:42
| ギター音楽の話
マリア・エステル・グスマン先生の日本ツアーが無事終了しました。
今回私は、ツアー初日の横浜公演から北海道、そしてラストの東京公演まで、多くの日程を共に過ごし、たくさんの演奏に接することが出来ました。こんなにたくさんの彼女のコンサートを聴けたのは久しぶりでした。嬉しかったです。 彼女の演奏は手塚先生が「cada vez mejor」(毎回良くなっている)というとおり、円熟の時を迎え、さらに今なお進化しています。演奏の感想を豊洲シビックホールで行われたプログラムから。 オープニングはバッハの無伴奏チェロ組曲からプレリュード。彼女のバロック作品の演奏の緻密さには毎回感動させられます。冒頭の開放弦の豊かな響き、続く高音の上行フレーズは上品に美しく、さらに進んで低音の下降は力強く。右手の指pima4本だけの使い分けで各声部が独立して自由に強弱を持ち、それぞれのフレーズを歌うことがどれほど技術的に困難か、ギターを弾く人なら誰もが分かると思いますが、彼女の演奏は伸びやかで全くその困難を感じさせません。(実際、彼女にとっては何の困難もないのでしょう。)ただ美しいバッハがあるだけです。 続いてロドリーゴのトリプティコ。有名なファンダンゴの和音で第1曲が始まるこの難曲をマリア・エステルは何の難しさも感じさせずに、カスティーリャ民謡らしきメロディの見え隠れする第2曲、そしてアランフェス協奏曲のモチーフを使った第3曲まで、素晴らしい集中での演奏を聴かせてくれました。技術的に難しいことを見せるだけなら曲芸になってしまう。でも、彼女の演奏から聞こえるのは、ロドリーゴの和声の面白さ。バッハで横のラインをつないで各声部を独立して聞かせたのとはガラリと変わり、今度は縦のラインを強調して、協和音程から少しづつずらして計算された不協和音の連なりと、その間に現れる美しい瞬間との対比を楽しませてくれました。 後半1曲目はポンセの「スペインのフォリアによる主題、変奏とフーガ」。横浜公演で、そのあまりの長大さに賛否両論あったことから、一時は抜粋での演奏まで検討されたほどでしたが、無事全曲お届けすることができました。フォリアの主題自体美しくて私は大好きなのですが、伝統的なフォリアをギターの技術的な魅力で変奏していくリョベートの曲とは異なり、この曲はフォリアの主題自体がポンセらしい和声で彩られて始まります。変奏は技術的に難しいことはもちろんですが、これみよがしの超絶技巧ではなく音楽的な充実が大きい。セゴビアをして「バッハのシャコンヌに匹敵する」と言わしめたくらいですが、ところどころバロックのような手法での変奏もあり、ヴァイス伝としてポンセが発表した組曲を彷彿とさせる場面も。低音の響きと動きが美しいのは、当日使用した名器アルカンヘル・フェルナンデスの真骨頂でもあったと思います。どの変奏もモダンな和声を組み合わせながらもフォリアの主題が失われない不思議さ。そして、前半に演奏されたロドリーゴとの個性の対比のこの上ない面白さ!!プログラムが難しすぎると批判もあり、また集客にも苦心しましたが、このロドリーゴとポンセの個性の対比は本当にこの夜の白眉であったと思います。縦のラインである和声と、横のラインである独立した声部と、その両方を複雑に組み合わせた美しい織物のようなポンセで、20分超の大曲があっという間に終わってしまったようでした。 マリア・ルイサ・アニードの小品「ミサ・チーコ」は初めて聴きました。メインディッシュの後のお口直しのような絶妙なプログラミングでした。私はマリア・エステルの演奏するチマローザのソナタが大好きなのですが、この「ミサ・チーコ」はその雰囲気に近い感じがしました。物哀しいメロディを歌うビブラートは、これまた技巧を感じさせない超絶技巧です。彼女はメロディがつながっている間、伴奏がどんなに動いてもビブラートを独立させて続けることができます。またメロディが動いていても同じタイミングのビブラートをかけ続けることが出来るのです。実感のわかない方は「アメリアの遺言」などで試してみてください。メロディの動きと違うタイミングで入ってくる伴奏に左右されずビブラートを途切らせないのは至難の技だと分かります。こうした見えない超絶技巧が、技巧を感じさせない最高の音楽を届けてくれるのだと思います。 プログラムの最後には、ツアー中どこでも大喝采を浴びたピアソラの「リベルタンゴ」が演奏されました。パーカッションから始まり、ベース、中声部の有名なリベルタンゴ節、そして最後に現れるメロディ。まるで、演奏者が増えていくようにそれぞれが完全に独立して奏でられる1人バンドのような演奏にはアンコールの拍手が鳴り止みませんでした。 アンコールは、アルベニスの「レイエンダ」、映画ドクトルジバゴから本人の編曲による美しいトレモロの「ララのテーマ」、最後に同じく本人編曲の映画「ミッション」のテーマでした。 今回のツアー、そしてラストの東京公演を聴いて、彼女と勉強できたことの幸せを感じると同時に、自分のプロフィールに彼女の名前を出すことの恐ろしさも感じました。自分はとてもではないが、足元に立つことすら出来ていない。彼女に恥じない自分でいられるように、また日々を頑張りたいと思いました。落ち込んだというわけではなく、ますますギターが好きになりました。一歩一歩、取り組んでいこうと思います。 集客への課題は相変わらず残りました。 次回の来日時には、さらなるアピールを考えて、この素晴らしい演奏をより多くの方にお届けできるよう頑張りたいと思います。 お越し下さった皆様、ありがとうございました。そして素晴らしい演奏をしてくださった永遠の師匠、Querida Maria Esther, muchas gracias!! #
by yuko_kodama
| 2019-11-02 06:11
| ライブ、コンサートの話
台風の接近が予想される三連休ですが、幸い14日の発表会は台風通過後と思われます。 毎年、尾野桂子先生のお教室と合同で開催しております教室発表会。私のお教室としては今年で4回目となりました。今年初めて発表会に出られる方がいらっしゃる一方で、高齢を理由に出演を見合わせる方もいらして、出演人数は当初から横ばいです。少しづつ生徒さんが増えているので、発表会出演につながるといいなと思います。 今年は初めてゲスト奏者を招いております。 私にとっては兄弟子にあたり、尾野先生にとっては師匠にあたる富川勝智氏。 私たちが普段のレッスンで大切にしていることを、富川さんの演奏からたくさん聴き取れると思います。ゲスト演奏まで無料でお聴き頂けますので、どうぞご来場下さいませ。 出演者の皆さん、頑張りましょう!! #
by yuko_kodama
| 2019-10-10 21:58
| ギター教室の話
9月22日(日)、西国分寺のいずみホールBホールにて行われた林祥太郎さんのコンサートを聴いてきました。
いずみホール、正面。 今回はBホールという、50席ほどのスタジオのようなホールでしたが、見た目よりも断然良い音響!!板張りの壁で程よい残響があり、生音のギターを聴くには申し分なし。床はカーペット敷きでしたが、むしろ足音が響かないのは演奏中の雑音がなくて良かったです。 プログラム。 演奏順を変更して、オープニング1曲目はジョビンの「あなたを愛してしまう」、その後トロイロの「下町のロマンス」、そしてまたジョビンの2曲に戻りました。 曲目解説も分かりやすく、最近自身のYouTubeチャンネルにアップしたばかりの「イパネマの娘」の撮影秘話なども話してくださり、会場のお客様の集中を惹きつけて離さない素晴らしいパフォーマンス。 ジョビンの曲を弾き終えたところで会場にむかって「この中でギターを弾いたことのない方、ちょっと弾いてみませんか?すごく簡単なので、ぜひ!」との呼びかけ。(何するのかな?簡単…なわけないでしょー!!)と思いながら見守っていますと、呼びかけに応じて舞台に出てくださった女性に、 「人差し指でも親指でもいいので、弦6本ジャラーンて鳴らしてみてください」 「いいですねー!じゃ、これを続けて弾いてくださいね。ジャーン、ジャーン、ジャーン、ジャーン…」 「いいですねー!そのまま弾いてくださいね。じゃあちょっと僕がこっちを押さえます。」(林さんがコードを押さえる) 「音、変わりましたね。今からこれで僕ちょっと歌ってみます」 (福山雅治さんの歌を歌ってくれる!うまい!) 「ありがとうございました!ね?ギター簡単ですね?ぜひ皆さん弾いてください!!」 (いや、あの左手が難しいでしょ?と客席からツッコミ) 「あ、左手はちゃんと習った方がいいです。あそこに楠さんという素晴らしい先生もいらっしゃるので。」 (ちゃんと主催者に配慮!) ということで、ギター演奏体験コーナー終了。これはお客様にとって楽しい経験になったこと間違いなしです。そして、この福山雅治さんの歌は、今秋公開予定の映画「マチネの終わりに」の紹介の伏線になっていたのです。この後プログラムにはなかった劇中曲「幸福の硬貨(小説バージョン)」も演奏してくださいました。天才クラシックギタリスト役として福山雅治さんが主演するこの映画を機に、クラシックギターの世界を多くの人に知ってもらいたいですね。 映画音楽つながりで、この後はメンケンの「ホール・ニュー・ワールド」。アニメバージョンとは違う今年公開の実写化バージョンです、との解説。アラジンとジャスミンの歌唱をオクターブで歌い分け、転調も原曲に忠実なアレンジ。これはさらりと弾いていましたが、相当な難アレンジです。本当に上手い人が弾くと、どんな曲も簡単に聞こえてしまいますね。 この後はクライマックスに向かって更なる本領発揮! クラプトンの「ティアーズ・イン・ヘブン」は、佐藤弘和さんのアレンジも素晴らしく、ターレガのラグリマ(スペイン語の「涙」=ティアーズですね)のモチーフから始まり、最後はバッハの平均律クラヴィーア曲のような雰囲気になります、との解説。あの有名な、美しくも悲しいクラプトンメロディが、最後にはクラシックギターらしい技巧によって壮大な宗教曲のような雰囲気に上り詰めるところまで一気に弾ききって聴かせ、客席はシーンと感動の余韻に浸りました。 「ホール・ニュー・ワールド」までは、どちらかと言えば甘い音色を多用して、耳に心地よい音楽を作っていた林さんですが、この「ティアーズ・イン・ヘブン」の後半の盛り上がりからは一気にクラシックモードにスイッチ!私の好きな硬めの、芯の通った音色がここにきてアクセル全開になり、ガスイの「ファリャの主題による幻想曲」とターレガの「アルハンブラの思い出」で終演、アンコールは「聖母の御子」でした。 林さんのプロフィールには、ミゲル・リョベート国際ギターコンクール第2位受賞の経歴とともに、この時にもらった「あなたほど心に届く演奏は初めて」との評が記載されています。 このコンサートを聴いて、それを確かに実感しました。前半のボサノバや映画音楽は、誰が聴いても、つまり本格的なギターファンやクラシック通でない人が聴いても楽しめる「心地よい音楽」なのですが、これがBGMのように流れていってしまわず、スッと心に入ってくる音楽なのです。肩肘張らない自然な音楽でありつつ、もっと聴きたいと思わせる音楽。本当に素敵だなあと思いました。そして、これを入口として、本当のクラシックギターの世界も聴かせてくださいました。1時間とは思えない内容の濃さで、レポートも長くなりました。すみませんm(_ _)m ガスイのファリャファンタジーとアランブラも収録されています。おススメです! 林祥太郎さんのYouTubeチャンネル このコンサートで演奏された曲が多数あります。ぜひチャンネル登録してお聴きください。毎月1曲、新ビデオがアップされるそうですよ! #
by yuko_kodama
| 2019-09-24 10:04
| ライブ、コンサートの話
このシリーズ最終回となる「バックステージツアー」のレポートです!
今回の企画は親子向けで「ピチカートツアー」という名称でした。私だけでは参加出来なかったかも⁈小学生の娘と2人で参加しましたが、10時半受付開始のところを10時過ぎから並んで、なんとか滑り込みセーフという人気ぶりでした。 案内してくださったのは、みなとみらいホールの事業計画の段階から携わっていらしたという中村卓史さん。ホールの隅から隅までご存知で、たくさんのウンチクを語ってくださいました。 ツアーはモール側入口の壁画前から出発し、 正面玄関→クローク、2階へ上がって大ホール客席→ステージ、ステージ下手側通路から舞台裏へまわり、楽屋2部屋→アーティストラウンジ→荷捌場→楽屋口、地下へ降りてリハーサル室→大部屋楽屋→ピアノ庫→ピアノ搬送用エレベーターにて小ホールのある6階→屋上庭園→関係者用エレベーターにて1階→正面玄関前ロビーに戻る(以上記憶で書いてます、抜けてるかも) というルートでした。 大ホールのステージ上から指揮者用の第1楽屋、アーティストラウンジあたりは最高に興奮しました。オーケストラ用のホールや設備には全く縁がありませんからね。指揮者用の楽屋には、アプライトピアノが1台、シャワー室もありました。リハーサルから開演までの間を楽譜とともに、あるいはピアノを使って過ごす、指揮者の部屋。「小澤征爾さんなんかはシャワーは使わずに、必ず乾いたタオルを使用されるんですね」などと、具体的なお名前が上がると興奮度もマックスです! アーティストラウンジはそこそこ広く、でも本当はもっと広さが欲しかったそうです。正方形の4人掛けのテーブルが舞台の真裏にあたる位置に、6〜7くらい横一列にありましたでしょうか。壁沿いには楽器を置くための棚が作りつけてあり、これはみなとみらいホールの自慢で、どの楽団にも喜ばれるそうです。「高価な楽器ですから、皆さん必ず持って歩かれます」との説明に深く頷くギター弾きの私。ピアノ弾きの娘は無関心。飲み物が提供されるカウンターがあり、クッキーなどのお菓子が並べてありました。 大ホール自体の説明も興味深いものでした。このホールは、公設民営というのかな?横浜市から「2000席のクラシック専用ホールを」という依頼が先にあったそうで、2020席のシューボックス型ホールとして完成しました。2000席でシューボックスというのは、実はかなり無理な設計。(土地の形状の制限からワインヤード型は設計できなかった。)2階後方の左右バルコニーでは舞台の半分以上が見えないような席もあるそうですが、どの席からも指揮者だけは見えるように設計を依頼したとのことでした。ホール全体の施工にかける費用を計画当初よりも節約した中で、音響設計に関わるところではビタ一文もケチっていない、と胸を張っておられた中村さんです。 ホール施工の費用が節約されたと書きましたが、これはみなとみらいホールが建てられた当時の時代背景のためです。みなとみらい地区の開発は今から30年前の横浜みなとみらい万博開催を機に始まり、ホールが計画されたのは25年前の1995年、バブルの時代です。ところがその後すぐにバブルがはじけて経済が暗転、長い不況の時代となりました。バブルの時代に計画されたとおりには実行できなかった施工案が多くあり、例えば正面玄関などはあまりにも簡素な仕上がりになったために、完成当時案内された横浜市長が「ここは裏口かね?」と言ったというエピソードも。ホール内外の装飾は経済が上向けばいつか足していくことも可能だろう、しかし、音響は一度出来上がったものを変えるのは非常に難しい。しかも、音が良くないという評価が定着すれば一流のオーケストラを呼ぶことも難しくなる。音作りに費用を惜しまなかった理由は明確でした。納得です。 このように、ちょっと子どもには難しいだろうなーと思われるウンチクを聞きながら、あっという間の1時間でした。娘は、ステージ上に置かれてあったスタインウェイのピアノに見とれ、地下のピアノ庫で「どれがベーゼンドルファー?」「わかんなかったー」とがっくり。いつの間にかピアノ弾きらしくなっていて面白かったです。ピアノは地下のピアノ庫からセリで舞台に載せますが、みなとみらいホールでは舞台の端にピアノ用のセリを設計したそう。サントリーホールでは、舞台中央にピアノセリがあり、演奏時も奏者はセリ上で弾くことになるのだそうで、これを不安に思う奏者もいることなどを聞いての配慮なのだとか。本当に興味深い話ばかりでした。 こうしたツアーは、他のホールでも開催されているのでしょうか?ぜひ色々なホールのウンチクを聞いて、比べてみたいものです。とても楽しく参加させて頂きました。 これで「遊音地@みなとみらいホール」のシリーズはおしまいです。お読み頂き、ありがとうございました! #
by yuko_kodama
| 2019-08-19 05:32
| クラシック音楽の話
みなとみらいホール「遊音地」。 今回は、この日聴いたその他のコンサートについてのレポートをまとめて書きます。着いて最初に聴いたのは、パイプオルガンのコンサート。1曲目は誰でも知っているクラシック曲No. 1ともいえるメンデルスゾーンの「結婚行進曲」でした。まるでオーケストラのように大ホールいっぱいに響きわたるオルガンの華やかかつ重厚な音色と、ホールの奥のステージのそのまた後ろのオルガン席に小さ〜く見えるオルガニストの姿が、あまりにも対照的です。あの小さな人影がこの大音響を一人で操っているのです、すごいなあパイプオルガン。2曲目の「赤とんぼ」をモチーフにした曲では、全く違う繊細な音色、音量もぐっと小さくなりました。このあたり、パイプオルガンの楽器の仕組みや音色の話など、少しトークがあると面白かったのになあと思いました。最後は「ウエストミンスターの鐘」をモチーフにした曲。「ウエストミンスターの鐘」とは、学校のチャイムに用いられているキーン・コーン・カーン・コーン(ミ・ド・レ・ソ、ソ・レ・ミ・ド)のあれです。一緒に聴いていた娘に「ほら、学校の!」と耳打ちすると気付いた様子で、現代的な和声の曲でしたが、興味を持って聴けたようでした。3曲で15分。体験コンサートとしてはちょうど良い長さかもしれませんね。 後に参加したバックステージツアーでは、このパイプオルガンにまつわるウンチクもあれこれ聞いたのですが、中でもこのパイプオルガンは日本で最も演奏される機会の多いオルガンの一つであるという話は印象的でした。こうしたミニミニコンサートを含め、出来るだけオルガンを演奏してもらう機会を作るよう、ホール側で欠かさず努力をしているそうです。 午後は、前回レポートしたギターコンサートを聴いた後、すぐお隣のレセプションルームで行われたウクレレ&パーカッションのコンサートへ。 ![]() 開演一曲目の「カナリオス」で、もうあっという間にラテンリズム全開の心地良い世界へ連れて行かれてしまいました! パーカッション奏者の身体の動き、大好きなんです。身体の内側からリズムが溢れてくるようで、見ていてとても気持ちよいです。そこへバロックギターさながらのウクレレを富川さんが乗せて、8分の6拍子と4分の3拍子が入れ替わる楽しいリズムがノリノリで展開・疾走。ウクレレとマリンバはどちらも音が軽やかで優しく、相性抜群でした。富川さんが「カリブっぽい」と表現されていましたが、確かにマリンバとスチールパン、どちらも音程の取れる打楽器で感じが似ていますね。その後演奏された曲も、どれもとても楽しかったです。バックステージツアーの集合時間がせまり、後ろ髪を引かれながら途中退室しました。この組み合わせでメキシコ民謡の「エストレリータ」とか、ラウロの「ベネズエラワルツ」とか、面白そうだなー。鰻の焼ける匂いでご飯をお代わりできる的な、「カナリオス」聴いての妄想コンサートを脳内お代わりして楽しみました。 バックステージツアーから戻って、夕方最後に聴いたのは中高生からなるビッグバンドのジャズコンサート。みなとみらいホール自体が運営しているバンドで、週1回プロの指導を受けながら練習を積んでいるとのこと。とても上手でびっくりしました!時々近所のホールで近隣中学高校の吹奏楽部のコンサートを聴いたりしますが、金管楽器って意外と音程取るのも難しいみたいですよね。そういう基礎がばっちり出来ていて、その上でのアンサンブル。ステージ前方に出てきてマイクの前でのソロ演奏も堂々としていて立派。テンポの良い女子の司会も聞きやすくて好感持てました。近所だったら娘が入会したがったかもしれません。中高生と聞いて、親近感を持って楽しく聴いていたようでした。 前回レポートしたギターコンサートも合わせて、これだけの音楽を楽しんで無料!!横浜市、太っ腹です。ありがとうございます。横浜市民の皆様、返礼品につられてふるさと納税なんかせず、ぜひ税金は横浜市へ納めてくださいね・笑。 次回はいよいよバックステージツアーについて書いて、このシリーズを完結したいと思います。お楽しみに! #
by yuko_kodama
| 2019-08-15 21:44
| ライブ、コンサートの話
おかげさまで、7月28日のカフェ・コンサートも色々なお客様に楽しんで頂くことができました。ご来場くださった方、行けないけど応援してくださる方、皆さまいつもありがとうございます。
昨日はみなとみらいホールまで、ちょっと足をのばして出かけてきました。普段、横浜駅は毎週レッスンで利用していますが、その先のみなとみらい線を利用することは滅多にありません。みなとみらい駅も初めて降りました。 さて、この日の目的はこれ! 11:00〜16:00のイベント時間中、プロ奏者による15分から30分のミニコンサートがホール内の色々な場所で催される他、中高生ビッグバンドのコンサートや、オーディションで選ばれた小中学生バイオリニストたちの「金の卵コンサート」など、子ども達が出演するコンサートもありました。私も小学生の娘と一緒に、パイプオルガン、ギター、ウクレレ&パーカッション、ビッグバンドのコンサートを楽しみ、さらに朝一番で並んで申し込んだバックステージツアーにも参加できました。とても楽しいイベントで、一回では書き切れないので、まず今回は私にとってのメインイベント、富川勝智さんのコンサートについて書きますね。 富川さんのソロコンサートは、小ホールでの「名曲コンサート」を鑑賞。富川さんの演奏はこれまで数多く聴いていますが、おそらく「アルハンブラの想い出」と「アストゥリアス」は初めて。どちらもとても良かったです。 「アルハンブラ」はとにかくトレモロの名曲ということで、鑑賞する時もトレモロの粒がどうの、速さがどうの、という話になりがちですが、全体の和声感とか、トレモロの下で動いている中声部と全体を支えるベースラインの立体感などは、意外とこれまで見逃していたかもなあと、その演奏を聴きながらアランブラ(スペイン語ではこの発音です)の景色を思い浮かべました。そこに意識が向くと、当たり前といえば当たり前ですが、何ともスペインな雰囲気の曲!「アラビア風奇想曲」や「ムーア風舞曲」ほどあからさまではないですが、この曲にもターレガが作曲に取り入れたアラビアンテイストが盛り込まれていたのですね。 「アストゥリアス」は、この曲の原題ではありません。もともとは「レイエンダ(伝説)」という副題のついた前奏曲です。この日の富川さんの演奏では、中間部の妖しくも美しい歌い回しがまさに「レイエンダ」。原曲のピアノでは表現できないビブラートやアラストレは、この曲をギターで表現することの魅力と喜びに満ちていて美しかったです。この曲全体を支えるすっきりと伸びのある低音はアルカンヘルならではと思いました。この曲を聴いて面白いなあと思うのは、最後の一音。ジャラーンとフォルテのラスゲアードを鳴らす人、ポンとピチカートでピアニシモにする人、奏者によって全く違って「どれが正解」というのはなさそうです。富川さんの最後の一音も、私の覚えているどれとも違っていました。結局、そこまでどう弾いてきたか、によって導き出される最後の音が決まるのですね。とても興味深いです。 ギターの名曲も色々ありますが、スペインものだけで「名曲コンサート」が成り立つのは、やはりギターという楽器とスペインの関わりの深さゆえです。にも関わらず、最近はスペインらしいギターを聴く機会がどんどん少なくなってきていると個人的に思います。汎ヨーロッパ的なクラシック音楽としてのギターだけでなく、この日の演奏のようなどこを切り取ってもスペインらしいギター演奏も、若い世代の人たちに広く知られてほしいと思っています。 #
by yuko_kodama
| 2019-08-13 14:46
| ライブ、コンサートの話
先日の「佐々木巌ギターリサイタル」では、平日夜間の開催にも関わらず、たくさんの方に足をお運び頂きまして、本当にありがとうございました。佐々木巌くんの演奏は素晴らしいものでした。初めて演奏した「アランフェス協奏曲」も、若々しく勢いのある、それでいて心からの歌のにじみ出る、良い演奏だったのではないかと思います。私たちのオープニングでの二重奏は、まだまだ練習も研究も足りませんでした。次に向けて頑張りたいと思います。 さて、次回はこちら! ![]() プログラムはウクレレソロ、ウクレレ&ギターのデュオ、私のギターソロ、ギターデュオ、さらにウクレレ&ギター2台のトリオまで盛りだくさんの30分×2ステージです。 皆さまのお越しをお待ち申し上げます! #
by yuko_kodama
| 2019-07-15 09:58
| ライブ、コンサートの話
コンサートのお知らせです。
7月5日(金)、長津田駅前のみどりアートパークホールにて「佐々木巌ギターリサイタル」、19時開演です。 昨年のアンドレス・セゴビア国際コンクールでの優勝は記憶に新しいところですが、さらにさらに進化中の佐々木くんが、今回は初のコンチェルトを演奏!「アランフェス協奏曲」を名手高木洋子さんと聴かせてくれますので、どうぞご期待の上お出かけくださいませ。 私は杉本みどりさんとのデュオで、オープニングにアルベニス「タンゴ」、ソル「アンクラージュマン」の2曲を演奏致します。 コンサート開演前には、17時より手塚教室発表会があります。こちらは入場無料ですので、お時間のある方はこちらもお楽しみください。 教室発表会というのは興味深い催しです。門下生の演奏を一堂に聴くと、先生のカラーがはっきりと表れます。手塚先生のギターの音色に対する考え方が、きっと伝わることでしょう。レヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサ先生直伝のスペインの音が、現代の日本で生き生きと奏でられていることをぜひ知ってください。 皆様のご来場をお待ち申し上げます。 #
by yuko_kodama
| 2019-06-22 09:47
| ライブ、コンサートの話
アンサンブル・フェスティバル2019、お陰さまをもちまして無事盛会のうちに終了致しました。ご出演頂いた各グループの皆さま、ご協力頂いたスタッフの皆さま、そしてご来場くださいました全ての皆さまにお礼を申し上げます。
出演のグループはだいたい毎年同じ顔ぶれですが、年々演奏がレベルアップしているね、というのが出演者同士の感想です。今年は郡山から「ドゥノール」さんに初出演でお越し頂きましたが、こちらも堂々とした演奏、少人数ならではのまとまりの良さ、聴きやすくて魅力的なプログラムなど、多くの良い刺激を頂きました。 私は「アルカンヘル」四重奏、合奏「カンパニージャ」の2グループに出演。メンバーが送ってくれた録音も確認して、なかなかの出来にほっと一息ついたところです。 「アルカンヘル」はとても楽しく活動しています。一番の理由は、同じ手塚門下同士「良い音、良いギター、良い音楽」についての大前提が何も言わずとも通じているところ。もちろん今後に向けての課題はありますが、息長く活動して私たちならではの良さ、なんといってもアルカンヘル4本という貴重な音を大切に、色々な曲を弾いていきたいなと思っています。今のところプログラムにはあまり一貫性がないというか、まあ手当たり次第弾いているというところは否めませんが、どの曲にも実は「この音を聴いてほしい!!」「これぞアルカンヘルの音!!」というポイントが必ずあります。今度はそのへんを手元にお配りするプログラムやプロフィールなどに書いておくのも良いかもしれないと感じました。 「カンパニージャ」では大合奏ならではの迫力ある演奏を楽しむことができました。実は、当日朝のステージリハーサルで急遽パートの入れ替えをしたり、直前まで仕上がりには不安がありました。しかし、そうしてまで全体のバランスを整えたことが奏功し、本番の演奏はメロディが前面に出た聴きやすくて勢いのある素晴らしい仕上がりになりました。直前の変更に動じない、力のあるメンバーがいることはもちろんですが、普段から実直に練習会に欠かさず参加するメンバーが屋台骨を支えてくれているお陰でこうした荒技も決まるのです。こんな、よく言えば臨機応変、直前まで何が起こるか分からないスペイン式の手塚先生のやり方も、私が楽しくカンパニージャで活動できる理由の一つかな?笑 第2部の「EL TANGO」のお2人の演奏は、残念ながら客席では聴けませんでしたが、前半は舞台袖のアナウンス席で、後半はロビーのモニタースピーカーから、聴いていました。 3日前には直々にカンパニージャに対してタンゴのレッスンをして下さったお2人。そのレッスンの記憶も新しい中で聴いたので、本場のリズムやバンドネオンの「泣き」の歌い回しの実演に接し、さらにたくさんの得るものがありました。(バンドネオン、後で考えるとちょっと尺八みたいと思ったりして。)また、直前に読んだ新聞記事でのバンドネオンの奏法(かかとを落とすことで鋭いスタッカートを実現する)なども、目の前で確認できて面白かったです。本場のアルゼンチン・タンゴ、また聴きたいですね。 彼らの演奏とは別に、大ホールでの公演を主催することが少なく、普段はクラシックギターの生音が当たり前のカンパニージャとしては、PAの調整に手こずってしまった面はありました。フェスティバル後半のゲスト演奏で、ステージリハーサルの時間が限られたことも拍車をかけました。そのあたりは主催側として、次回以降の運営面での課題を心に留めておこうと思います。 いずれにしても、気がつけば今年で7回目を迎えたらしいこのフェスティバル、今後も楽しく続いていってほしいと思います。今後ともどうぞ応援よろしくお願い致します! #
by yuko_kodama
| 2019-06-12 08:10
| ライブ、コンサートの話
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クラシックギタリストです。
現在、読売カルチャー横浜校講師。 ギターアンサンブル「カンパニージャ」「オリエンタル」メンバー。 子ども向けウクレレ&ギターユニット「フェザーテイル」メンバー。 プロフィール 5才からピアノを習い、18才でクラシックギターに出会う。以後現在に至るまでギターを手塚健旨氏に師事。2001年~2003年スペインへ留学、マリア・エステル・グスマン氏に師事。 最新の記事
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