荘村清志ギターリサイタル in ノクティホール(川崎)

2005年6月5日、荘村清志氏のギターリサイタルがありました。

荘村氏は、何十年も日本ギター界の第一線で活躍されているギタリストです。にもかかわらず、私は、コンサートを聴くのは今回が初めてでした。大変、新鮮な印象を受けました。
以下、失礼な言い回しや感想があるかもしれませんが、あくまでも、素晴らしい演奏であったことを伝えたいという私の主旨を、ご理解いただきたいと思います。

プログラム前半で最も印象的だったのは、ソルの「マルボローの主題による変奏曲」。
私もよく演奏する曲ですが、まったく違った解釈での演奏に、大変驚くと同時に、新鮮さを感じました。特に、聴き取れないほどのスピードでアルペジオを奏でた華やかな最終変奏は、若々しさに溢れていて、圧巻でした。これをアピールするために「魔笛」ではなく「マルボロー」を選んだのでは、と思わせるほどの、圧倒的な演奏でした。
名曲でありながら演奏される機会の少ないこの曲は、他人の演奏に接して学ぶ機会が限られます。その意味でも、貴重な演奏でした。

後半では、なんといっても武満徹の「フォリオス」が素晴らしかったと思います。難解な曲だと思うのですが、他に演奏された曲と比べて、音色の美しさが際立っていました。

今回のコンサートでは、ご本人がマイクを取り、演奏する曲についての解説を加えてくださったのも印象的でした。「有名な」ギタリストが「コンサートホール」で行う「リサイタル」で、このようなスタイルをとることに、初めて出会ったように思います。トークには、氏の気さくな人柄が表れていました。特に、荘村氏の依頼によって書かれたという前述の「フォリオス」では、故人との思い出を語り、演奏に深みを加えたと思います。

全体として感じたのは、「理由のない魅力」とでも言いましょうか・・・。
音色が大変美しい、歌いまわしが素晴らしい、突出したリズム感だ・・・・など、どれも氏の演奏には当てはまらないような気がするのですが、それでも惹きつけられてしまう。
感動するのに理由はいらない、と感じたリサイタルでした。
そして、それこそが、氏が40年近い歳月にわたって第一線で活躍を続けている理由であり、またその歳月が、「理由のない」(または「理由の分からない」)魅力へと還元されていくのではないかと思いました。

♪今回のコンサート
「荘村清志 ギターリサイタル」 ノクティホール

Program
・聖母マリア頌歌集 (賢王アルフォンソ)
・マルボローの主題による変奏曲 (F.ソル)
・スペインのセレナード (J.マラッツ)
・ひとつのワルツとふたつの愛/もし彼女が尋ねたら/ショドー・ダ・バイアーナ (D.レイス)
・バーデンジャズ組曲 (イルマル)
・フォリオス (武満徹)
・「南米組曲」より タキラリ/ショーロ/グァラニーア/ガト・イ・マランボ (アジャーラ)
・11月のある日/舞踏礼賛 (L.ブローウェル)
・郷愁のショーロ (A.バリオス)
・セビリア (I.アルベニス)

(アンコール)
・カンシオン (モンポウ)
・ベネズエラワルツ第三番 (ラウロ)

荘村清志(g)

蛇足ですが、演奏の感想を言葉にして伝えるのは、本当に難しいですね。
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# by yuko_kodama | 2005-06-07 09:45 | ライブ、コンサートの話

教室発表会

6月5日(日)に、私の師匠である手塚健旨先生のギター教室発表会がありました。

私は現在も手塚先生に師事しているので、今回は一生徒としての出演です。でも、「プロ」の看板を出して活動している以上、生徒であっても半端な演奏はできない・・・と思うと、これほど緊張する機会もありません。

発表会では、他の方の演奏を聴くのも楽しみであり、また礼儀でもあると思います。というわけで、今回も開演から出番の数人前の方の演奏までを拝聴。
いつも思うのは、皆さんの努力の素晴らしさです。本業の仕事を他に持ちながら、その傍らギターを練習している人たちが、さまざまな大曲に挑戦している。その演奏には、「コツコツ」と積み上げてきた練習の成果がはっきりと表れていて、心を動かされます。
ギターを練習することが仕事のうちである私は、そういった方々と比べて恥ずかしくない「努力」をしているか・・・。自分自身に問いかけながら、演奏に聴き入りました。

ギリギリまで客席で演奏を聴き、その後楽屋へダッシュ。少し指を温めてから舞台の袖へ行くと、すでに直前の演奏者の曲は後半にさしかかったところでした。この慌しさも発表会ならでは。

今回私は、ターレガの「アラビア風奇想曲」を演奏しました。出来は・・・今の時点で出来ることは出せたでしょう。でも、やるべきことがまだある、というのが正直なところです。
また、一段上の演奏を目指して、新たな努力を重ねたいと思います。

発表会の後は、引き続いて、荘村清志氏のリサイタルが行われました。
感想は、また改めて書こうと思います。
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# by yuko_kodama | 2005-06-05 19:37 | ギター教室の話

オレンジの香り

近所のスーパーでオレンジの特売があったので、ひとやま買ってきました。今年初めてのオレンジです。
早速、朝食のデザートにと思い包丁を入れた途端、懐かしい香りがふわ~っと漂いました。

「ああ、セビージャの匂いだ!」

セビージャは、私が2年間を過ごした留学先の街で、スペイン南部のアンダルシア州の州都です。日本では「セビリア」と言うほうが一般的ですが、スペイン語では「セビージャ」に近い発音で、私にはこちらのほうが馴染んでしまいました。

セビージャの街では、至るところでオレンジの並木道と出会います。細い裏路地から、教会前の広場まで・・・・。私が住んでいたアパートの前もオレンジの並木道でした。
オレンジの樹は、3月から4月くらいに小さな白い、良い香りの花が咲きます。夏には青い実をつけ、秋にはオレンジ色に熟してきますが、食用ではないので収穫はされません。放っておかれたオレンジは、暖かくなるにしたがって、熟しきって道にぼたぼたと落ちてきます。また、次の年のために(と思われる)、業者がやってきて木に残っている実を落としていきます。
こうして道に落ちたオレンジが車などに踏まれて、春先のセビージャでは、あちこちからオレンジジュース(しかも100%の生ジュース)の匂いが漂ってくるのです。
この匂いにたまらなくなり、近くのバルに駆け込んで「スモ・デ・ナランハ!(オレンジジュース)」と注文したことは、一度や二度ではありません。

久々のオレンジの香りに、セビージャの記憶が鮮やかに思い出されました。
記憶と匂いって、本当に連動しているものなのですね。

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# by yuko_kodama | 2005-06-02 09:23 | その他の話

手荒れ~その後

意外に手荒れに悩むギタリストが多いのだな、と思ったので、その後の経過報告を。

まずは、以前の記事へのギター初心者さんのコメントを引用。

手荒れは洗剤などによって起る表面的なものばかりが必ずしも原因となるとは限らないようです。首筋や肩、腕の「こり」などによる血液循環の悪さ、冷えなどが指や手の甲部分の状態を悪くしている場合も考えられます。

このコメントに、かなり思い当たるフシがありました。
実は、以前一度、首と肩のコリが原因の血行不良により、手の甲に激痛を生じてギターが弾けなくなったことがあったのです。このときは、整形外科で「腱鞘炎」と誤診され、内服用の消炎剤と湿布薬を処方されたものの、ちっとも良くならず、「もう一生ギターが弾けないのかも・・・」と目の前が真っ暗になるような思いをしました。
最終的には、知人に紹介された針灸医の治療によって、痛みもしびれもウソのように消えました。

このことがあってから、東洋医学にかなりの信頼を寄せる私。
最近、確かに肩こりもひどかったし、「これはギター初心者さんのおっしゃるとおりかも」と思い、早速近所の「中国整体院」なるところを訪ねてみました。

線路脇の小さなビルの中にある医院は、特急電車が通過すると地震のように揺れるスリリングな立地。中国人らしい、怪しげな日本語を操る整体師の先生をとりあえずは信頼して、首やら背中やらを「ぼきぼき」ならしてもらいました。
今日で3回ほど通ったのですが、肩・首のコリがほぐれてきたのと同時に、指先の荒れ方も少しやわらいできたような感じがします。
以前は、薬をつけて、常に手袋を着用していても、ほんの少し手袋をはずすと、乾燥して指先にヒビ割れが起きるような状態だったのですが、ここ数日は手袋なしでも乾燥しなくなってきたのです。まだかなり荒れた状態ではありますが、薬なし・手袋なしでヒビ割れができないのは、私にとっては驚きの状態。

ギター初心者さん、ありがとうございました。
やはり、物事は表面だけでとらえてはいけないのですね。
今後も、炊事のときの左手作戦、ゴム手袋着用、洗剤対策と並行して、コリ退治もしていこうと思います。
近いうちに、完治のご報告ができるといいな、と思います。
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# by yuko_kodama | 2005-05-31 20:16 | その他の話

日曜日

今日は日曜日~♪でも、寝坊はできません。

お天気が良いので洗濯をして、朝ご飯を用意して食べます。
続いて、自分の持参するお弁当(軽食)と、家人の昼食を用意。
11時には家を出て、蒲田でのレッスンに向かいます。

蒲田はグループレッスンが3クラスです。
昨日、合奏の良さを再確認したところで、今日は各クラスにて合奏を実践。まずは、使用している教本に載っている簡単な3パートの曲をみんなで弾いてみます。
グループレッスンでありながら、今まではあまり合奏をやっていませんでした。

初めて合奏をする人たちにまず覚えてもらうことは、間違ったときに弾きなおさないことです。私も一緒に弾きながら、誰かが間違ってもずんずん曲を進めます。何度かやっていると、ちょっとしたミスで曲から離脱しても、すぐに復活するコツを皆さん覚えてきます。
これが実は、独奏にも役立ちます。本人が「しまった~!!」と思うようなミスも、実は音楽全体の流れからすれば、何でもないことが多いのです。ミスで止まらずに弾ききることが、合奏でも独奏でも、「音楽」を作るための一番の土台です。

17時にレッスンを終了。
今日は楽しくレッスンが進んだ気がしたので、満足の帰途でした。
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# by yuko_kodama | 2005-05-29 23:04 | その他の話

合奏練習

今日は、私の師匠、手塚健旨先生を中心とするギターアンサンブル「カンパニージャ」の合奏練習に参加してきました。

「カンパニージャ」は、バスギターを一台加えただけで、後は全員普通のギター(いわゆるプライムギター)という編成です。これは、オーケストラをギターに置き換えた演奏ではなく、あくまでもギターらしさを求めた合奏をする「カンパニージャ」のスタイルです。

合奏の醍醐味は、なんといっても、独奏では得られないダイナミズムだと思います。20人いたら、独奏の20倍のクレッシェンド!・・・とまではいきませんが、かなり幅広く音量をあやつることができます。
また、あまり演奏経験のない初級の方でも、簡単なパートを割り振ることで、リズム感を養い、普段独奏では弾けないような大曲を演奏することもできます。

私が4月から講師をしているグループレッスンでも、合奏を取り入れていく予定で現在準備中。
さあ、どんな曲を選ぼうかな。楽しみです。
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# by yuko_kodama | 2005-05-28 23:35 | その他の話

二重奏リハーサル

今日は、富川氏との二重奏リハでした。

今回挑戦の新曲は、F.ソルの「幻想曲 Op54.bis」という作品。今日は初回なので、通して何度か合わせ、雰囲気やそれぞれの練習ポイントを探っていきました。
同じソルの二重奏作品でも、4月のコンサートで演奏した「アンクラージュマン(励まし)」は、お互いのパートがメロディと伴奏を行ったり来たりする「入れ替わり型」。今回の「Op54.bis」は、1stはずっとメロディで2ndがずっと伴奏の「固定型」。どちらも、それぞれの面白さがあります。

今日は私の2ndギターである「ヤマハ」を、富川さんにお貸ししました。
この楽器、69年製作の手工品で、もともと悪くない楽器です。が、富川さんが弾くと、なんだか別の楽器みたいです。きっと誰も「ヤマハ」であるとは思わないでしょう。「結構、いい楽器持っているじゃん、私。」という感じです。
どんな楽器でも、良いタッチで弾いてこそ、と実感します。
(いや、でも、もともとも良い楽器なんですよ。自慢じゃないですが。)

リハ後はコーヒーを片手に、教室ホームページ作成のコツなど、ちょっとした実用話を教えてもらいました。ためになります。

やっと週末です。なんだか風邪気味です。
今夜は寝不足を解消したいと思います。
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# by yuko_kodama | 2005-05-27 19:53 | ギター音楽の話

楽譜の切り貼り

今週は、金曜日に富川勝智氏との二重奏リハーサルがあります。昨夜は、リハに備えてパート譜を作成しました。んー、面倒・・・。

あまりに面倒なので、作り終わると、なんだか弾けるようになったような気分になります。って、練習これからなんですけど。

「弾ける気分」にひたっている場合ではないので、とっとと練習を始めます、ハイ。
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# by yuko_kodama | 2005-05-25 14:03 | その他の話

火曜日はピアノレッスン

火曜日はピアノレッスンの日です。

といっても、私がピアノを習っているわけではありません。NHK教育テレビで、火曜日19:25から放送されている「スーパーピアノレッスン」を、ほぼ毎週チェックしています。講師は、フィリップ・アントルモン氏。フランス出身のピアニストで、指揮者としても活躍されています。モーツァルトの作品を取り上げ、生徒へのレッスンと本人の模範演奏が放送されています。受講生は、ヨーロッパで学ぶピアニストの卵たちや、活躍中の現役ピアニストも。当然内容も充実していて、とても面白いのです。

アントルモン氏は、レッスン中に生徒の演奏を正すとき、「~だから、こう弾いたほうがよい」とか、「~と思って、私はこう弾いている」というような説明をほとんどしません。「そこはこのように弾くのです。」と実際弾いてみせるだけで、根拠となるような説明はあまりないのです。けれども、生徒は手本を聴くだけで、その理由が分かるレベルなのでしょう。何よりも、アントルモン氏の演奏が、生徒に(または視聴者に)有無を言わさぬ美しさであることがすべてなのかもしれません。

私はピアノの専門家ではありませんが、レッスンでの古典派様式の表現方法や構成の仕方など、とても興味深く見ています。楽器は違っても、同じ「クラシック音楽」。勉強になることもあるし、純粋に「好き」と「楽しい」で見ている部分もあります。
興味のある方は、ぜひ今夜の放送をご覧くださいね。
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# by yuko_kodama | 2005-05-24 12:46 | クラシック音楽の話

富川勝智 in クラスタ

5月20日(金)、国分寺クラスタでの富川勝智氏のライブに行ってきました。

富川さんは、以前同じ師匠について勉強していた兄弟子にあたる方で、現在はデュオパートナーとしても大変お世話になっています。今回は、久々にソロライブを聴きたくて、国分寺へ足を運びました。

まず驚くのは、その場で思いついた曲をさくっと弾いてしまう、そのライブのスタイル。もちろん、ある程度の構想は頭にあるのでしょうが、私にはちょっと真似できません。もちろん、この日のためにと準備してきたプログラムではないから、ミスはある・・・これは仕方ないと思います。(ごめんなさい、富川さん。)でも、音楽の価値は、ミスの数で計るものでは絶対にないのです!!
準備とは、演奏会のためにするものではない。音楽を考え、演奏を練り上げ、それを自分の中に積み上げる作業は、日々行うものであり、それが出来ていれば演奏会のための準備なんて必要ないのだ、とこの人の演奏は語っているのです。素晴らしいことだと思います。その演奏を聴いて、私はいつも「勉強」を忘れて、素直な感動を受けることができます。

もうひとつ富川さんのライブの特徴をあげるとしたら、客層です。ツウなお客さんが多い(というか、ギターを弾かない人はいない!)のです。なぜなら、ツウを納得させる演奏とレクチャーが聴けるからです。演奏は、ソル、ターレガ、トローバなど、一過性の流行曲ではない本当の意味での「名曲」がそろい、トークも、マニアックな質疑応答あり、亡き巨匠ホセ・ルイス・ゴンサレス氏の逸話あり、と盛りだくさんな内容で、満足度が高いです。

こんな方とデュオとして演奏させてもらえるのは、ギタリスト冥利につきます。一生懸命勉強して、相応しい演奏ができるパートナーになりたいですね。

終演後、クラスタでは恒例の、飛び入り演奏会になりました。私も、2曲ほど演奏するハメに。私は一滴も飲んでいなかったのに、ツウなお客さんを前にして緊張しまくり!!同日のランチライブを聴いた方は、別人の演奏だと思ったことでしょう。恐るべし、クラスタのステージ。あらためて、富川さんを尊敬しました。

♪本日のプログラム(うろ覚え)

・禁じられた遊び (作者不詳)
・ラグリマ (F.ターレガ)
・マリエータ(F.ターレガ)
・トリーハ (F.モレノ=トローバ)
・アラビア風奇想曲 (F.ターレガ)
・夢(マズルカ) (F.ターレガ)
・「魔笛」の主題による変奏曲 (F.ソル)
・ショーロス第1番 (H.ヴィラ=ロボス)
・エストレリータ(M.M.ポンセ)
・組曲「プラテロと私」より プラテロ、死 (E.サインス・デ・・ラ・マーサ)
・11月のある日(L.ブローウェル)
・そのあくる日(R.ゲーラ)

次回の富川さんのライブには、私と、楠幸樹くんが加わり、トリプルジョイントライブになります。6月17日(金) 国分寺クラスタです。どうぞお運びくださいませ。
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# by yuko_kodama | 2005-05-22 23:08 | ライブ、コンサートの話