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運指に悩む~バッハ「アレグロ」(BWV998)

だいぶ前からバッハのアレグロ(BWV998)に取り組んでいます。とても難しい曲です。何が難しいか。今私が苦心しているのは、「アレグロ」という速度(または曲の性格)を保持したまま、自分のやりたいことを表現していくことです。

バッハの曲はギターの為に書かれた曲ではありませんので、ギターのオリジナル曲、中でもギタリストである作曲家が作曲した曲のように、最良の運指が楽譜上に明確に指示されているわけではありません。楽譜に書かれた(つまり編曲者が意図した)運指以外の可能性がいくつか存在するわけです。
楽譜に並んだ音符の中から、特に聴かせたい音を意識してフレージングを考え、それに合った運指を考えて練習しているわけですが、その運指が最も簡単(弾きやすい)というわけではありません。

現在師事する先生からは、「この曲はとても難しく、速度も速いので、とにかく出来るだけ弾きやすい方法で運指を考えるべきだ」と言われました。どんなに美しい音が響く運指を考えても、それが「アレグロ」という枠組の中で表現できなければ意味がありません。そして、「アレグロ」という速度で一気にこの曲を弾いてしまえば、運指付けによる響きの違いなど、実はあまり聴き取れないのかもしれない。

それでも、いつか技術に余裕が出てくれば、やりたいことが「アレグロ」の速度の中でも表現できるかもしれないと思うと、好きな運指を易しいものに変えたくない私です。とりあえずは、先生から指示された易しい運指と、自分のやりたい運指とを、並行して練習していこうかと思います。そして、曲の練習以上に、自分の技術そのものを底上げする地道な基礎練習が必要ですね。
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by yuko_kodama | 2009-12-19 11:34 | ギター音楽の話

ミュージカル「ウェストサイドストーリー」

ミュージカル「ウェストサイドストーリー」を観てきました。

この有名なミュージカルは、1957年に舞台で初演され、その後1961年に映画化されました(ウィキペディアより)。今回私が観た舞台は、今年3月からブロードウェイでリバイバル上演されて好評を博しており、以前から観にいきたいと思っていました。

「ウェストサイドストーリー」は、現代版「ロミオとジュリエット」と言われます。“ストーリーありき”で作られているせいか、もしこれが小説だったら全く面白くないのでは?と思ってしまう所もあります。あまりに唐突で不自然な一目惚れや、くだらない喧嘩、あっけなく何人もが死んでしまう結末・・・。それでも、今回の舞台を観て、私は涙がボロボロこぼれるほど感動してしまいました。これは、超一流の音楽と歌、ダンスのお陰に他なりません。

最も有名なバルコニーのシーンで歌われる「Tonight」。
主役のマリアは「家族が呼んでいる。不審に思われるから、もう帰って。」という割には、恋人トニーと一緒に長々と愛を歌い合うわけで、(家族にバレバレでしょ?)と突っ込みたくなるけれど、その後に訪れる悲劇を知っているので、この美しい歌に感動して涙ぐんでしまう。マリア役のホセフィーナ・スカリオーネは、プロフィールを見ると、オペラ歌手としての研鑽を積んでいるようで、マイクが必要ないのではと思われるほどの素晴らしい声量と歌声でした。

他にも、結婚式の真似事をするシーンで歌われる「One hand, One heart」、悲劇的な状況から現実逃避して歌う「Somewhere」、 兄を殺してしまった恋人を、それでも愛していると歌う「I have a love」など、美しいメロディの数々に、とにかく涙、涙。音楽の力は偉大です。

ダンスシーンも素晴らしかった!
冒頭の「プロローグ」。よくポスターなどにも使われる有名なダンスシーンですが、実際に見ると、ひとつひとつの動きの美しさがよく分かります。ジェッツ団(アメリカ人少年グループ)のダンスでは、ジャンプが、まるで糸でつられているかのように軽くて高いのが印象的でした。対するシャーク団(プエルトリコ移民の少年グループ)は、シャープでキレのある踊りがカッコいい!!

体育館でのダンスパーティのシーン。
ジェッツ団のリーダー「リフ」と恋人「ヴェルマ」、シャーク団のリーダー「ベルナルド」とその恋人「アニータ」の二組のカップルが踊り比べをするシーンは圧巻で、あまりにそのダンスが素晴らしいために、同じシーンで演じられたと思われる主役のトニーとマリアの一目惚れの演技が全く記憶にありません。

私の座席は、2階席の前から3列目という素晴らしい席でした。舞台両脇のバルコニーでパーカッションの演奏をしていたのですが、それがとてもよく見えて、これまた面白かったです。劇の性格上、ラテン音楽の要素が多く入っていて、パーカッションの二人は大活躍でした。オーケストラピットの指揮者もよく見えました。指揮者はピット内に立っていますが、手だけが舞台上からも見えるようになっており、舞台の役者さんとピット内のオーケストラの両方に指示を出すのです。とても面白いです。生のオーケストラと歌ですから、きっと1日として同じ演奏になることはないのでしょう。

ちなみに、今回のリバイバル上演では、初演時よりも大幅にスペイン語の台詞が増やされています。プエルトリコからの移民という設定に近づけるための演出とのことですが、ワンシーン丸ごとスペイン語、という箇所もあり、スペイン語が分からない人には大変です。でも、これは近年ヒスパニック系の住民が激増しているアメリカで、スペイン語が第二公用語ともいうべき地位を確立しつつあることも背景にありそうです。私は、忘れかけたとはいえ、まだ英語よりもスペイン語のほうが聞き取りがラクなので、これには助けられました。

ブロードウェイには本当にたくさんの劇場があって、たくさんの演目が毎日、日によっては1日に2回も上演されています。そのひとつひとつの劇場の中で、これだけの感動が日々生み出されているのかと思うと、気が遠くなりそうです。すごい場所です、ブロードウェイ。
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by yuko_kodama | 2009-12-15 12:41 | クラシック音楽の話

言葉とリズム

早いものでニューヨークへ来てから、もうすぐ1年が経とうとしています。来米当初と比べれば、英語もだいぶ耳になじんできました。とはいえ、勉強していないので、ちっとも話せるようにはならないのですが・・・。

耳が英語に慣れるにつれて、英語はリズムとアクセントの言語だなぁと実感します。それに対して、日本語は音程の言語ですね。スペイン語もリズムが美しい言語だと思っていましたが、スペイン語のリズムは、たとえていうなら、1拍目に強拍がきて四分音符が続くようなイメージ。英語は、ちょっとシンコペーションというか、付点音符の混ざるリズムというか・・・。スペイン語と比べて母音が少ないせいでしょう。跳ねるようなリズムが美しいなと感じる最近です。

こういう言語を使って生活している人たちは、おのずと身体の中に宿るリズム感が日本人とは違ってくるのかしら、などとも思います。ちょっとした音楽に合わせて体を揺すっている人の、カッコよくサマになることといったらありません。ちょっと羨ましくなるほどです。

ところで最近、以前ならぱっと頭に浮かんできた簡単なスペイン語が、全く思い出せなくなってきました。だいぶ英語の単語が脳の領域を占拠し始めているようです。先日、ヒスパニックのウェイトレスとレストランでお話したのですが、スペイン語での会話がかなりおぼつかなくなっていて、自分自身ショックでした。やはり言語は使っていないと、どんどん忘れていくようです。
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by yuko_kodama | 2009-12-08 12:42 | その他の話