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アルベニスの「コルドバ」

しばらく更新できずにいたところ、生徒さんから「先生、最近忙しいのですか?ブログが更新されませんね。」などと、声をかけて頂きました。
更新を楽しみにしてくださる方がいることは、大変嬉しいことですね。
今日はタイトルどおり、アルベニス作曲の「コルドバ」について、思ったことを書いてみます。

3月14日(水)のバック・イン・タウンでのライブでは、椎野みち子さんとのデュオを数曲予定しており、その中の1曲に「コルドバ」があります。ソロでも演奏されることの多い人気曲ですが、今回はE.プジョール編の二重奏バージョン。息を合わせるのが難しいし、ソロにはない効果的な音が盛り込まれていて、かなり手ごわいレパートリーではありますが、大好きな曲です。

その「コルドバ」ですが、タイトルはスペインのアンダルシア州にある都市の名前です。私はこの街を2度訪れています。イスラム教徒がスペインを支配していた時代は、南部の拠点都市として繁栄を謳歌しました。巨大なメスキータ(イスラム寺院跡)を始め、街に残る数々の観光スポットが、当時の栄華を物語っています。現在は、首都マドリーから新幹線で1時間半ほど。交通は便利になりましたが、旧市街は鄙びた雰囲気の静かな街で、同じアンダルシアでもセビーリャのような都会的な華やかさとは無縁に感じられました。アルベニスがこの「コルドバ」を作曲した当時の街は知りませんが、現在のコルドバを訪れた私にも、この曲のイメージそのものとして、記憶に残っています。

夜明けを告げる鐘が、メスキータの鐘楼から街に響きます。街はまだ眠りから覚めず、静けさのうちに、空だけが次第に明るさを増していきます。
やがて人々は朝をむかえ、物憂げな街が生活のリズムを刻みはじめます。それぞれが仕事に向かい、主婦は市場へ買出しに出かけるでしょう。通りには子供の遊ぶ声が響きます。
午後になると、日差しが強くなり、鄙びた静かな街もアンダルシアらしい明るさに包まれます。グアダルキビル河のゆったりとした流れにかかるローマ橋。巨大なメスキータを赤く染めて沈む夕日。乾いた風。かつてこの街に栄光があったころも、アンダルシアの太陽は同じように照りつけていたのです。
夜になり、嘘のように静まりかえった街。それは、栄光が去り、静かに余生を送るような現在のコルドバの姿にも重なるように思えるのです。

こんな私のイメージが伝わる演奏になれば最高です。
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by yuko_kodama | 2007-02-23 22:37 | ギター音楽の話

指揮者 大野和士~「プロフェッショナル」(NHK総合)

先日、NHK総合の「プロフェッショナル」という番組に、ヨーロッパで活躍する若手日本人指揮者の大野和士氏が出演されていました。

大野氏は、一昨年パリでのオペラ上演に際して、オーケストラのストライキという危機を、急遽、ピアノ3台ほかを用いた縮小編曲という大技で乗り切り、現地の新聞評などで絶賛されたことが、日本でも大きく報道されました。けれども、基本的に活動の舞台がヨーロッパなので、気になる存在でありながらも、私の目(耳)に触れる機会がなかったのです。今回その大野氏を、トーク&ドキュメントで紹介するこの番組で見られたことは、とても嬉しいことでした。

大野氏は特にオペラの指揮に定評があるそうです。上演に際しては、歌手の歌っている歌詞の細かいセリフひとつひとつ、物語の背景などにまで気を配りながら、作品と対話を繰り返し、その音楽世界を構築していくとのことでした。実際にスタジオでは、ヴェルディのオペラ「椿姫」序曲のピアノ版を演奏しながら、その解釈を紹介。大変に興味深いものでした。

「椿姫」といえば、クラシックギターの世界ではターレガ(一説にはアルカス)による「椿姫のモチーフによる幻想曲」が大変有名で、人気もあります。今回、番組で大野氏の解説を聞きながら、オペラ「椿姫」を聴きたくなり、さらに、いつか自分でも「椿姫幻想曲」を弾きたいなぁ、などと考えました。
ターレガ(アルカス)のギターによる幻想曲は、当時人気のあったイタリアオペラにモチーフを借りて、大衆の人気を集めながらギターを広めよう、というようなたくらみが透けて見えます。そのため、「椿姫」の物語が本来持っている悲劇性よりも、ギターによる技巧的な表現を重視して、それに合うようなモチーフが多く採られていると思います。それが難しいところではありますが、でも、いつか自分なりの表現で演奏できたらなぁ・・・と思いました。

大野氏は、ワーグナーのオペラ上演でも絶賛を浴びたそうです。まだ指揮者としては若い46歳。ミーハーながら、今後の活躍に注目していきたいと思います。
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by yuko_kodama | 2007-02-03 01:28 | メディア(番組・記事)紹介