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音楽道場

昨日12月26日(火)の朝日新聞夕刊の記事から。

かの有名なヴァイオリニスト五嶋みどり、龍の姉弟を育てた母、五嶋節さんが、日本に「音楽道場」を設立するそうです。昨今の日本を揺るがしている「いじめ」に心を痛めてのことで、音楽に打ち込むことによって自分に価値を見出せる子供を育てることが狙いとのこと。弦楽器などの指導員を養成し、私立小学校などに派遣して音楽教育を行う予定だそうです。

記事によれば、幼い頃は小柄で度の強いめがねをかけていたみどりさんも、アメリカに育ち言葉の壁や体格差などのハンディがあった龍さんも、いじめにあった経験をお持ちだそうです。そんなお2人に母親である節さんは、「あなたたちは毎日一生懸命にヴァイオリンの練習をしていて、それは誰にもマネできないすごいこと。自信を持ちなさい。」と言い聞かせてきたそうです。

いじめ問題は、今年最も気になった暗いニュースのひとつでした。それに対して、様々なジャンルの第一人者たちが、それぞれの方法で救いの手をさしのべているのは素晴らしいことです。本物を感じ取ることが何よりも得意な子供たちに、こうした試みが届くことを祈っています。
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by yuko_kodama | 2006-12-28 00:47 | メディア(番組・記事)紹介

年内のレッスンが終了

今年のレッスンがすべて終了しました。あまりに早い仕事納めだと笑われそうですが・・・。

昨年から継続してレッスンに通ってくださる方々、今年から仲間に加わってくださった方々、皆さん1年間お疲れさま&ありがとうございました。また、それぞれのご事情により教室
それぞれに収穫があり、発見があり、進歩があり、上達のあった1年間だったと思います。、もちろん私も、皆さんにレッスンすることによってたくさんのことに気付き、それを自分に還元したり、勉強の必要性を感じたりと、自分を高めることができたと思っています。

来年は、教室発表会などの新しい企画も立ち上げていきたいと思っています。ギターを、音楽を、これからもずっと楽しんでいただくためのお手伝いができるよう、今後とも頑張りたいと思っています。ギター教室の皆さん、来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます♪
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by yuko_kodama | 2006-12-19 20:20 | ギター教室の話

すきとおる音色

クリスマスディナーのBGMのお仕事で、ピアノと共演する予定があります。初めての経験ですが、ギターという楽器の音の小ささを肌で実感します。

前回の記事では、リースケ氏の音作りに関する話題と私の考えを書きました。私も、美しい音色を発すべく努力は欠かしていないつもりですが、ピアノと共演しても存在感を感じさせるような音色というと、まだまだ勉強不足が否めません。ただ音量的に大きい音ではなく、音量はもちろんのこと、その上に「とおる」音色であることが要求されると思います。私がよく使うのは、「ピントのあった音」という言葉です。音量があっても、ボヤけた音はピアノの音の海を渡ることはできません。来日コンサートを聴く機会の多いF.クエンカやM.E.グスマンの演奏を思い出しながら、彼らの磨きぬかれた音色に、あらためて尊敬の念を抱いています。

タッチを調整しながら、「とおる」音色を探して練習していますが、この練習は、きっとソロ演奏のためにも勉強になるでしょう。美しい音、すきとおるような音色への道のりは、まだ遠そうです。
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by yuko_kodama | 2006-12-14 19:14 | ギター音楽の話

ヴルフィン・リースケ氏

先日、来日中のヴルフィン・リースケ氏のレッスン通訳として、マスタークラスを見学させていただきました。本来はドイツ語を母国語とされ、英語も堪能なリースケ氏ですが、通訳の手配の都合からか、スペイン語での通訳となりました。
実際にはレッスンは、簡潔な英語を中心に勧められ、受講生も直接分かりやすいアドバイスを受けることができたようですが、観念的な話や少し複雑なアドバイスなどは、スペイン語に直していただき、私が日本語に通訳する流れとなりました。

私はリースケ氏の名前や活躍は知っていたものの、失礼にも、演奏会へ足を運んだこともなければ、CDでの演奏に触れたこともありませんでした。今回初めて直接に音を聴き、話を聞き、その考え方や演奏スタイルに深く共感しました。次回の来日の際には絶対に演奏会へ行こう!と思ったのですが、そのきっかけとなったのは、打ち上げの際に話題にのせられた次のような一連の発言でした。

まず、氏の音楽に対する姿勢や、その嗜好。
「私はギターを弾くのではなく、ギターを弾いて音楽を奏でたいのです」という発言は、昨今のテクニック重視の風潮に警鐘を鳴らしているように感じられました。聴衆がお金を払ってコンサートチケットを買うのは、決して超絶技巧を見て感心するためではなく、音楽を聴く心地よさを求めてのことだと思う、と再三言われていました。ギターファンの動向を察するに、実は「超絶技巧を見て感心する」のが好きな人も結構いるのではないか、と内心思ったのですが、心底クラシック音楽を愛し、音楽的な表現を求めるリースケ氏の姿勢に、深く共感しました。
クラシックを愛するという姿勢は、ヨークやディアンスなどの流行りのレパートリーに否定的なご意見をお持ちだった様子からも察せられました。それは、そうした音楽よりもターレガやソルなどのレパートリーに関心のある私に、少し自信を与えてくれました。

続いて、ある意味「爆弾発言」ですが、次のようなことをおっしゃっていました。

「私は何度か日本でレッスンをして、日本の受講生が皆とても良いギターを持っていることに驚いていると同時に、それらの良いギターから全く良い音色が生み出されないことにも非常に驚いている」

次回の来日時のレッスンでは、曲のことなどはどこかへ置いておいて、音作りだけを指導したい、と冗談交じりにおっしゃったリースケ氏。実は、私もこの日のレッスンを見学していて同様のことを感じていました。受講生の皆さんは、非常にレベルが高く、音楽表現も素晴らしかったのですが、中の幾人かは、「しっかり弦をつかんで放す」という基本動作を重視していないように見受けられました。そのため、タッチが浅くなり、音が細く、芯がないのです。良いギターを使用するほど、こうしたタッチの粗さは露呈されやすくなります。
この「弦をしっかりと掴む」ということを私は非常に大切に思っていますが、これは師匠である手塚健旨先生に、初心者の頃から徹底的に教え込まれたことです。ですから、私も自分の生徒さんにはこの点をしっかりと伝えているつもりです。裏を返すと、そうしたことをしっかりと伝えられていない指導者も多いのではないか、ということです。コンサートでは華やかで技巧的な曲が受けるご時世、深い音よりも速い指さばきを目指したい若手もいることでしょう。もちろん、これらのことは相反することではなく、両立できれば素晴らしいギタリストとなれるはずです。指導者は、そこをしっかりと考える必要があるでしょう。

私が普段から最も大切に考えている「音色の美しさ」について熱弁をふるっていたリースケ氏を思い出しながら、早くも次回の来日を楽しみに待っています。
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by yuko_kodama | 2006-12-01 21:32 | ギター音楽の話

ラス・マノス 2ndCD発売記念コンサート

すっかりレポートが遅くなりました。
11月23日(木・祝)、荻窪の名曲喫茶「ミニヨン」で行われた、ラス・マノスのコンサートへ行ってきました。デュオを組む富川勝智氏と湯川賀正氏は、2人とも手塚健旨先生の下で学んだ私の兄弟子にあたる方たちです。昨年第1作目のアルバムを発表し、今年、2作目の発売を記念して2回目のコンサートが行われました。

同じ製作年のアルカンヘル・フェルナンデスを愛用する二人ですが、全く同じ演奏スタイルというわけではありません。それぞれが強烈な個性を発揮しながらも、その着地点は同じところにある、といった雰囲気が感じられます。その中で、何と言っても素晴らしいのは、2人の音色の美しさです。楽器そのものの良さはもちろんのこと、そのポテンシャルを生かしきる深いタッチから生れる艶やかな音色は、ギター本来の魅力を伝えて余すところがありません。
富川氏は、「色気たっぷり」の豊かな音色と歌いまわしで、聴衆をうっとりと惹きつけます。対する湯川氏は、どちらかといえば「朴とつ」とも言える素朴な表現の中にも、確かなリズム感やノリを保っていて、決して「色気」に引けをとらない存在感。その二つの個性のバランスがなんとも言えず、気持ちよく感じられました。
プログラムも、2人ならではのセンス溢れるもの。「さくら」や「宵待ち草」といった親しみやすい曲から、クレンジャンスなどのしゃれた作品まで、どれもこれも新鮮味たっぷりで、最後まで飽きさせません。クレンジャンスの「インベンション」では、シンプルでロマンチックな曲の美しさが、持ち前の音色の美しさを一層引き立てて、当夜の演奏プログラムの中でも秀逸でした。また、普段ビートルズバンドのギタリストとしても活躍する湯川氏ならではの表現が感じられたビートルズナンバーも良かったと思います。
途中、余興的に演奏された湯川氏のウクレレが、聴衆の緊張感を取り去って、場が一気になごやかになり、楽しいコンサートとなりました。
2人は、来年3月に横浜、大倉山記念館でのコンサートを予定しているとのこと。ぜひ息の長い活躍を期待したいと思います。

♪Program
・作品55「斬進的にして容易なる3つの二重奏曲」より第一番 (F.ソル)
・パークニング編 「3つのデュエット」
ラ・ロシニョール/ドゥーリーズ・アコーズ/カノン
・アンデス風ソナタ (J.セナモン)
・ミラージュ/オルゴールの箱が開くとき (F.クレンジャンス)
・「3つの世界のメロディ」~湯川・富川編
チム・チム・チェリー/雨にぬれても/第三の男
・作品76「2台のギターのための10のインヴェンション」より第1番~第5番
・「3つの日本のメロディ~湯川・富川編
さくらさくら/宵待草/雪の降る街を
・フール・オン・ザ・ヒル/ペニーレーン (レノン=マッカトニー~ブローウェル編)
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by yuko_kodama | 2006-12-01 20:48 | ライブ、コンサートの話