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音、聴いてますか?②

昨日の続きで、「自分の出した音を聴く」ということについて、もう少し考えてみます。

ギタリスト富川氏のブログには、2回にわたってアポヤンド、アルアイレについての持論が掲載されていて、大変面白い。
ギターレッスンと演奏の日記 from 富川ギター教室
この中で、富川氏が結論的に述べている以下の意見に、大変共感をおぼえました。

アポヤンドとアルアイレの区別は便宜的なもので、大切なのは「自分がどのような音を出したいか?」を考え、それから「それを楽に行うにはどのような手や指の動きを行えば良いか?」を考えることなのです。

アポヤンドで弾くのか、アルアイレで弾くのか、が大事なのではない。大切なのは、自分の求める音がどんな音色なのかということ。私も、同じ考えです。
もちろんこれは、基本的な演奏技術を身に付けて、すでに様々な曲を演奏しているレベルの人についてのことであると思います。(ギターを始めて間もない、入門~初級レベルの方に対しては、私はある程度の基準として、「ここはアポヤンドしましょう、ここはアルアイレで」という指示をしています。)

で、話を戻すと、「どういう音色を自分が求めているのか」を考えて実行するということは、「自分の出している音色に、常に注意をはらうこと」を要求します。「アポヤンド」とか「アルアイレ」とか、弾き方にこだわる人ほど、もしかしたら自分の出す音に無頓着かもしれません。「こういう音が出したい」という明確なイメージを持つこと、そして、自分の音にしっかり耳を澄ますこと、このふたつが美しい音色(自分の思い描くとおりの音色)を出すために必要なことだと思うのです。

こうして音色の話をずっとしているのは、私がギターの美しい音色が大好きで、それをもっと美しく響かせるにはどうしたらよいか、ということを、いつも考えているからです。そして、その美しい音色こそ、人の心に響く音楽を作り出すために必要不可欠なものであると思うからです。

趣味でギターを弾く多くの人は、「自分のギターで人を感動させる」なんて、あまり考えていないかもしれません。でも、聴く人は、「難しい曲」や「間違いのない演奏」に感動するわけではないと思うのです。
どんなに易しい曲でも、美しい音色で、音楽的な表現をし、心をこめて演奏すれば、聴く人の心に響きます。逆にいえば、ものすごく難しい曲をミスなく弾いても、音色と表現と心がともなわなければ、「すごい」と思うことはあっても、「素晴らしい」と感動することはないのではないかと思います。
私のところに習いに来る人には、ぜひ、「易しい曲でも美しく」を目標に頑張ってもらいたい。だからこそ、「自分の音を聴く」訓練をして、ギターの音色にを大切に考えてもらいたいと思います。
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by yuko_kodama | 2006-03-29 23:30 | ギター音楽の話

音、聴いてますか?

自分のギターがどんな音を出しているのか、自分の指からどんな音が紡ぎだされているのか、しっかりと聴いているでしょうか?

最近のレッスンで気になったことのひとつが、「自分で出している音を聴いていない」現象。
レッスンの冒頭、練習してきた曲を弾いていた生徒さんの音が、だんだんとヒステリックに硬質になっていく。見ると、右手がほとんどブリッジ間際で弾いているのです。そのことをアドヴァイスすると、「気付きませんでした」と言われたり、「前の先生にもよく注意されたのですが、そういう癖があるようです」という人もいました。
なぜ、気付かないのでしょう?それは、自分がどんな音を出しているかを、きちんと耳で確かめていないからです。

自分の演奏を客観的に聴くというのは大変難しいことで、そのために私もよく、自分の演奏を録音して聴いたりします。私の場合、主にこれは曲全体のバランス(たとえば、強弱のつけ方、フレージングなどの細かな問題)をみるためです。自分が考える曲の表情が、思い描いたとおりに表現できているかを、他人として聴きたいわけです。なぜなら、音を聞くのは「耳」であっても、聞いた音を情報にするのは「脳」なので、自分の思い込みによっては、正しい(=客観的な)音の情報を拾うことができないからです。

さて、肝心の音色についてですが、これは、訓練して自分の音を聴ける意識を作るしかありません。演奏しながら常に音色を聞ける耳を作らなければ、タッチの勉強ができないからです。録音では意味がありません。(それに、録音で生音と同じ音を再現できるとも思いません。)
私自身の感覚でいえば、音色を感じることは、曲の表現を客観的に聴くことに比べれば、全く難しくないと思います。ただ、「聴く」ということを意識して演奏するだけで、ずいぶん違ってくるでしょう。実際に、上記の生徒さんには、今書いたようなことを説明したうえで練習してもらったところ、翌週には見違えるほどキレイな音色で弾いてくるようになりました。
今までは、楽譜どおりの音を出すことだけに集中していた意識を、「音色を聴く」ことにも振り向けてみてほしい。自分のギターがどんな音を出しているか、少し意識して練習してみてください。そうすれば、冒頭に紹介した例のように、気付かないうちに右手がブリッジの際までいってしまうこともなくなるはずです。だって、もしそのような状態になれば、さっきまで出していた音とは全く違う音色が鳴っていることに気付くはずですから。

先生についてギターを習っている人は、今書いたような状態になれば先生が助けてくれるでしょう。けれども、独学でやっている方、昔は習っていたけど今は先生についていないという方などは、この「聴いていない」落とし穴にはまっている可能性があります。美しい音色が聴く人に伝わってこそ、音楽が生きてきます。自分の音色をよく聴いて練習してくださいね。
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by yuko_kodama | 2006-03-28 00:01 | ギター音楽の話

現代ギター誌

このページをお読みの、ギター初心者の皆さまにご案内。

ギターを始めて間もない方のなかには、雑誌「現代ギター」をご存知ない方もいらっしゃると思います。「現代ギター」は、クラシックギター専門の月刊誌。数ある音楽雑誌の中でも、クラシックギターを専門とした雑誌は他になく、まったくの初心者から指導者レベルまでが楽しめる、かなり幅広い内容を扱っています。

d0030554_22131065.jpgなかでも、今月は「クラシックギター入門の入門」と題した、超初心者向け特集が組まれており、購読開始にはうってつけ。ぜひこの機会に、購読をおすすめします。

こんな案内をするのも、別に私が現代ギター社のまわしものってわけでは全然ありません。そうではなく、短いレッスンの中では、お話できるトピックスというのは自然と限られてしまうので、それを補う形で雑誌を読むことをおすすめしているわけです。また、コンサート案内なども出ていますので、参考にしながら、どんどん演奏会へ出掛けるのもよいでしょう。

もうすぐ4月。雑誌を読みつつ、新たな気持ちでお稽古に励んで、どんどん上達してくださいね!(*現代ギター社のホームページはこちら。)
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by yuko_kodama | 2006-03-26 22:15 | メディア(番組・記事)紹介

明日はランチ・ライブ

明日は、曙橋のバック・イン・タウンでのランチ・ライブです。

ランチ・ライブに出演するようになって、もう1年以上が過ぎました。回を重ねるたびに、だんだんと慣れてきて、最初の頃の緊張もウソのようです。月に一度のペースで出演していますが、毎回、何か新曲を入れるようには努力してきました。たとえ、3分くらいの小品でも、新しい曲を勉強してレパートリーにすることで、少しづつ自信にもなっているように思います。

明日は、ランチ・ライブでは初披露となる、ヴィラ=ロボスの「ショーロス第1番」をはじめ、聴きやすい曲も交えながらの30分にする予定です。
13時スタートですので、お時間のある方は、ぜひお運びください。
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by yuko_kodama | 2006-03-23 22:59 | ライブ、コンサートの話

蒲田教室発表会

3月19日(日) 読売文化センター蒲田内にて、蒲田教室の受講生による発表会が開かれました。

この企画は、半年前に第1回を開催して以来2度目になります。前回の発表会後に、受講生の皆さんの意見をきいて、定期開催することにしたものです。やはり、人前で演奏するとそれなりに緊張感もあり、練習に対するモチベーションもあがるようで、教師としては楽しみな企画です。

都合がつかずに欠席された方が2名、怪我のため無念の棄権が1名、残りは全員参加でした。各自、独奏を1曲ないし2曲、それに合奏(重奏)が1曲。普段の成果を十分に発揮できた素晴らしい演奏会となりました。

d0030554_1924574.jpg開演直前。皆さん、真剣にリハーサル中です。


d0030554_1925920.jpg独奏部門のトリで演奏したSくん。いつも明るくて、レッスンは皆勤賞なのです。


d0030554_1931893.jpgグリーンスリーブスを合奏した3人組。よく相手の音を聴き合って、息もぴったりでした。


Iさん、丁寧な仕上げぶりが、聴いていてとてもよく分かりました。今後は、ギターのオリジナル曲へも挑戦していきましょうね。
Oさん、オカリナ歴が長いとのことで、さすがに舞台慣れした、落ち着いた演奏でした。残念ながら今回の演奏会をもって引退とのこと、立派に花道を飾られました。またいつでも、顔を出してくださいね。
Mさん、最近とても音のとおりが良くなりました。今日の演奏も、はっきりとした音がよく響いて素敵でした。
Nさん、始めて半年での驚異的な成長に、今後が楽しみです。緊張は分かりましたが、Nさんが大好きな曲のよさが、皆さんにも伝わったはずです。
Kさん、実をいうと曲が間に合うか心配でしたが、締め切り効果でバッチリ仕上げてきました。クラスの皆さんがお手本にしていますので、今後も先輩としてよろしくお願いします!
Tさん、演奏ではレッスンでのアドヴァイスが100%実行されていました。教師冥利につきます。
Sくん、ぐんぐん伸び盛り、成長盛りの演奏。今日ものびのび弾けたね。また新しい曲で頑張りましょう。

私も、最後に3曲ほど演奏をしました。ヴァイスの「ファンタジー」、タレガの「アラビア風奇想曲」、ヴィラ=ロボスの「ショーロス第1番」です。
時代や雰囲気の異なる曲を演奏して、皆さんに幅広いギターのレパートリーを知ってもらえたらと思っての選曲でした。実際に、舞台(といっても、普段のレッスン室ですが・・・)で演奏すると、生徒さんと同じく緊張しますね。でも、これからも発表会の機会には、私自身も演奏をしたいと思います。そして、その中から「好きな曲」「弾きたい曲」「憧れの曲」などを見つけてもらえたら・・・と思います。

終演後は、フルーツパーラーで打ち上げ兼親睦会。本当は、ビールで乾杯っ!といきたいところでしたが、時間も時間(ちょうど3時半頃)だったので、お茶会となりました。普段は別々のクラスで勉強されている人たちが一堂に会して、和気あいあい。演奏後の甘味も、また格別でした。

また半年後に発表会をやりますので、次回の目標の曲を皆さん、考えておいてくださいね!

(出演者、見学者の感想、コメント、大歓迎です)
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by yuko_kodama | 2006-03-19 19:09 | ギター教室の話

楽譜をデジタル画面表示?!

とうとう実用化?

楽譜を、液晶画面にデジタル表示して、ペダル操作で譜めくりをする装置が登場したようです。先日、新聞のすみっこに見つけた記事によると、川崎市の「ミューザ川崎シンフォニーホール」ロビーで、弦楽カルテットによるデモ演奏も行われたとか。
以前に、二重奏の練習をしながら、「そんな機械が出来たら便利だよね」という話で、相方の富川氏と盛り上がったことを思い出しました。

演奏しながらの譜めくりは、演奏者にとって、かなりのストレスです。私の場合は、ソロ演奏は必ず暗譜で舞台に臨みますが、二重奏などでは楽譜を置きます。長い曲では、楽章の間などにめくりますが、そうしたタイミングがない曲もあります。(今までやった曲の中では、例えばファリャ「スペイン舞曲第1番」や、ソル「幻想曲 Op54.bis」などは、曲が長い上に切れ目がなく、苦労しました。)できるだけ暗譜した上で、1/2ほどに縮小した楽譜を用意したのですが、楽譜が見にくいために、緊張しました。自動で譜めくりができれば、本当に便利だと思います。

この機械、現在の問題点は“書き込みができないこと”だとか。
確かに、私が二重奏や合奏で楽譜を置くのは、音符そのものを読んで弾くためというよりも、楽譜にある書き込み(曲の表情や強弱、繰り返し時の注意など)に気をつけるため、といったほうが正しい気がします。うーん、書き込みが出来ないのは不便だな。しかし、そういう要望が多ければ、機械のほうはすぐに技術が追いつくのでしょう。

それよりも個人的に気になるのは、楽譜の料金と著作権の問題。記事では、「通信カラオケのような」感じで、ほしい楽譜が表示できる、とあったのですが、料金体系ってどうなるのでしょうね?
以前読んだ本に、オーケストラでは、著作権が切れていない楽曲で演奏頻度が少なく、オケで楽譜を所有していない場合、「レンタル楽譜」を手配するとありました。いちいち高い楽譜を買っていたのでは、採算が合わないのでしょう。「レンタル楽譜」は世界中をまわっていて、有名な奏者がサインを入れていたりするのだそうです。なんか、カッコイイ。

結局は、「クラシック音楽」という“クラシック”で保守的な世界に、最新鋭の機械がどこまでなじむかという、気分の問題もあるかもしれませんね。今後、どういうふうに変わっていくのか、とても興味があります。
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by yuko_kodama | 2006-03-08 23:27 | クラシック音楽の話