カルステン・グロンダル 11弦ギターコンサート

6月9日(土)、田園調布富士見会館で行われたカルステン・グロンダル氏のコンサートを聴きました。グロンダル氏はデンマーク出身のギタリストで、数少ない11弦ギターの演奏家です。

11弦ギターは、主にリュートのために作曲されたルネサンス~バロック時代の作品の演奏に優れています。リュート全盛だったルネサンス~バロック時代の作品は、現在は数少なくなったリュート奏者よりも、圧倒的にギター奏者によって弾かれる機会が多くなっています。6弦ギターで演奏する場合には、リュートで弾かれる低音をオクターブ上げたり、また調を変えたりといった編曲が必要で、気付かないままにオリジナルの雰囲気とは異なったものに仕上がっている場合もあります。今回、11弦ギターでこれらのバロック作品をオリジナルに限りなく近い雰囲気で聴けたことは、とても楽しく興味深い体験でした。

私にとって印象深かったのは、普段6弦ギターで聴く機会の多い、ヴァイスの「シャコンヌ」とバッハの「リュート組曲第4番」。6弦では弾ききれない低音の多さに、あらためて驚きました。特にバッハのリュート組曲の「プレリュード」は、6弦ギターではテクニックを誇示するかのようにアグレッシブな演奏を聴くことが多いのに対し、グロンダル氏の演奏は非常に優雅で淡々としたものでした。低音域が増えたことで、「線」としての動きの速さよりも、和音の絡み合いの美しさが強調されたようでした。最初に演奏された、リュート作品であるバロンの「アリア」も、透明で美しいメロディが印象的でした。これも6弦で弾いたら、この優雅さは出ないのだろうな・・・。アンコールで演奏されたヘンデルのアリア「私を泣かせてください」では、さらに感動的な静けさと美しさに、本当に泣いてしまいそうでした。

11弦ギターは、音を出すのも消音も、かなり大変そうです。グロンダル氏は身長189センチとのことで、手はものすごく大きいです。たぶん私だったら、最高音弦と最低音弦を同時に弾けないでしょうね、指が届かなくて。だから、なかなか弾き手もいないそうです。めったにない、優雅で静かな時間を過ごすことができました。いいなぁ、バロック!

カルステン・グロンダル 11弦ギターコンサート

♪program
・アリア 変ロ長調 (E.G.バロン)
・シャコンヌ (S.L.ヴァイス)
・組曲11番より アルマンド/クーラント/サラバンド/ジーグ (D.ブクステフーデ)
・リュート組曲 BWV1006aより プレリュード/ルーレ/ガボット (J.S.バッハ)

(アンコール)
・アリア 「私を泣かせてください」 (ヘンデル)
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by yuko_kodama | 2007-06-12 23:50 | ライブ、コンサートの話
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