富川勝智 クラスタライブ

昨夜は、国分寺クラスタで富川勝智氏のライブがありました。

聴衆のほとんどがギターを弾く人ということもあり、楽器の話、曲の話、楽曲にまつわる土地の話、作曲家の話・・・面白いトークが盛りだくさんです。中でも、「響き」に関する話題は、大変興味深いものでした。音を重ね合わせるときに生まれる微妙な「響きあい」の音。それは、発せられた瞬間瞬間の音しか聴いていない人には分からないのだ、と。音と音の間に響いているものに注意を向けるのは難しいことですが、この日聴いた演奏で一音一音に感じられた説得力は、こうしたところから来ているのかな、と思いました。

もちろんトークだけでなく演奏も素晴らしいものでした。格式ばらない場だからこその表現、心の赴くままに弾いているような感じが、とても心地よかったです。例えば、ライブの最初と最後に弾かれたラグリマ。ご本人のトークでは、「楽器の鳴り方の違いを楽しんでください」ということでしたが、曲中の音色や強弱の表現なども、微妙に違っているのです。それはおそらく、テキトウに弾いているということではなく、徹底的に研究した後だからこその「思いつくまま」の演奏なのだと思います。楽譜に向かって考えたことを機械的に繰り返すのではなく、そこを極めた上での「遊び」がある。それが聴く側にとっては魅力的なのだな、と思いました。それはもちろん、ラグリマに限ったことではなく、この夜弾かれた全ての曲に当てはまると思います。

終演後の恒例、「アルカンヘルまわし弾き」も盛り上がりました。富川氏が、愛器アルカンヘルをその場に居合わせた聴衆に弾かせてくれるのです。弾く人ごとに全く異なる音色を聞かせてくれるアルカンヘル。富川氏のブログ「ギターレッスンと演奏の日記」にその様子と富川氏の考えが詳しく記されています。ギターという楽器の本質に迫る、貴重な時間だったと思います。居合わせて良かった!

4月のGGサロンでのリサイタルも素晴らしかったですが、こうした気さくな場でのライブには、また一味違った楽しみがありました。
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by yuko_kodama | 2007-06-01 21:58 | ライブ、コンサートの話
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