クリスマスディナーのBGMのお仕事で、ピアノと共演する予定があります。初めての経験ですが、ギターという楽器の音の小ささを肌で実感します。
前回の記事では、リースケ氏の音作りに関する話題と私の考えを書きました。私も、美しい音色を発すべく努力は欠かしていないつもりですが、ピアノと共演しても存在感を感じさせるような音色というと、まだまだ勉強不足が否めません。ただ音量的に大きい音ではなく、音量はもちろんのこと、その上に「とおる」音色であることが要求されると思います。私がよく使うのは、「ピントのあった音」という言葉です。音量があっても、ボヤけた音はピアノの音の海を渡ることはできません。来日コンサートを聴く機会の多いF.クエンカやM.E.グスマンの演奏を思い出しながら、彼らの磨きぬかれた音色に、あらためて尊敬の念を抱いています。
タッチを調整しながら、「とおる」音色を探して練習していますが、この練習は、きっとソロ演奏のためにも勉強になるでしょう。美しい音、すきとおるような音色への道のりは、まだ遠そうです。