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ギターかクラシックか

これを書いたら反感もあるだろうと思いつつ、敢えて最近思うことを書いてみます。

クラシックギターを弾く人を大ざっぱに分けたら
1.オーケストラなどを含むクラシック音楽が好きで、多くの楽器のなかのひとつとしてギターを選んでいる人
2.ギターという楽器が好きで、フォークやジャズ、ポップスなども含めたギター音楽をよく聴くという人
に二分できるのではないかと、感じることがあります。
もちろん、どちらが良い悪い、という話ではありません。単純に二分できるものでもないでしょう。二つのカテゴリーは、全く別に存在するものではなく、それぞれ重なり合った部分を持っているものだと思います。重なり合う部分が多い人もいれば、あまり重なっていない人もいるでしょう。ただ、話を単純化して、こうしたカテゴリー分けをした場合、私は間違いなく前者に入ります。

私が普段聴く音楽は、クラシック音楽に大きく偏っています。小さい頃ピアノを習っていたせいもあって、最初はショパンやモーツァルト、ベートーベンなどの有名なピアノ曲が多かったです。高校時代に、音楽の授業で初めてスコアを見ながらベートーベンの「運命」を聴いたのをきっかけに、オケの曲もよく聴くようになりました。同じく高校のときに、学校の課外教育で行われたコンサートで聴いたバッハの「無伴奏チェロ組曲第一番」に感激して、その後バッハのチェロ、ヴァイオリンなどの無伴奏作品をたくさん聴きました。ずっと、こうしたバロックからロマン派にかけての、「いかにも」なクラシック音楽が好きでしたが、ギターを弾くようになってさらに幅が広がりました。ファリャ、E.S.デ・ラ・マーサなどの印象派作品をきっかけにラベルやドビュッシーもよく聴くようになりましたし、ポンセやテデスコなどの近代的な作品をきっかけに、近代~現代の演奏頻度の少ない曲にもアレルギーがなくなりました。ギターに多くが編曲されているアルベニスやグラナドスのピアノ作品はもちろんピアノでよく聴きますし、ヴィラ=ロボスのギター以外の曲を聴いたりもしています。
こうして書いてみると、常に「クラシックギター作品」と「ギター以外のクラシック音楽」がリンクし合って、ぐるぐると循環していますが、足を「クラシック以外」の世界へ伸ばしてはいないようです。つまり、私はやっぱり「クラシック音楽」が好きなのだと思います。

私にとってはこれが当たり前なので、時々、他の人もそうだと勘違いをしてしまいます。そうすると、後者の「ギター好き」な人たちと、微妙に噛み合わなくなってしまったり、します。特に、演奏会のプログラムについての話をしているときに、この「ズレ」を感じることが多いように思います。以前に、「コンサートプログラム考」でも書きましたが、自分を含めてすべての人が満足するようなプログラムというのは、とても難しいことだと思います。ただ、求められるプログラムの根底には、最初に提示したような「クラシック音楽なのか」「ギター音楽なのか」という好みのズレが影響しているように思いました。

最終的には、こんなことをぐちゃぐちゃと言うよりも、「どんな曲でも構わない。あなたの演奏ならば」と言われるようなギタリストになれれば最高なんですけど。
(結局、イマイチまとまらなかったなぁ。)
by yuko_kodama | 2006-11-15 16:31 | クラシック音楽の話
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