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池田慎司 マスタークラス

8月2日(水)、東京下赤塚の「カフェ・ラルゴ」にて、ギタリスト池田慎司さんによるマスタークラスが行われました。

池田慎司さんは、北九州を拠点に活発な演奏活動をされている若手大物ギタリストです。もちろん後進の指導にも熱心で、今回は東京ツアーの一環としてマスタークラスが行われることになり、私も受講してきました。

池田さんの演奏は、キレの良いリズムと、歌心溢れる甘いメロディーが同居する、ノリの良い自由な音楽です。その「自由な」演奏が、「ただ勝手気ままに弾く」のではなく、裏には非常に理論的で繊細な音楽への理解があり、また、そのための勉強があるのだということを知ることが出来た、とてもためになるクラスだったと思います。

私は「アラビア風奇想曲」(F.ターレガ)で受講しました。この曲は、もう1年くらい取り組んでいて、何人かのプロにもレッスンを受けた曲ですが、どうしても弾けない場所を克服できないでいます。それと同時に、この曲の美しいメロディを、歌いきれずにいる気がしていました。
レッスンでは、技術的に難しい部分の練習の仕方をはじめ、長いフレーズをどうやって区切って考えていくかというアプローチの方法も、和声の理論と併せて分かりやすく説明していただきました。また、歌いまわしという部分でも、ritの効果的な使い方など、とても勉強になるものでした。中でも、主題となるメロディーの2拍目にあたる音のアクセントの理解の仕方は、とても勉強になりました。この音の伸ばし方について、ヴァイオリンのボーイングを喩えとして用いていたのは、非常に分かりやすかったです。

ギターの世界にいると、目がギターにしか向かない人も多く見かけます。池田さんのレッスンでは、この「ヴァイオリンのボーイング」に限らず、パーカッションであったり、ピアノであったり、他の楽器の喩えや理論が頻繁に出てきて、彼の音楽の幅の広さも感じることができました。また、音を「強い・弱い」「長い・短い」といった言葉だけでなく、「厚い」とか「濃い」「薄い」という表現がよく使われていたのも新鮮でした。

この日の夜に行われたコンサートのアンコールで、「アラビア風奇想曲」の実演を聴けたのは、とてもラッキーでした。池田さん、本当にありがとうございました!

池田さんは、8月1日の青葉台のコンサートを皮切りに、昨日2日は「カフェ・ラルゴ」にて、今日3日は国分寺クラスタにて演奏をされます。
私は、大ファンとしてこの3日間のコンサートを追っかけています。演奏のレポートはまた別途掲載したいと思います。
by yuko_kodama | 2006-08-03 09:24 | ギター音楽の話
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