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ハビエル・ガルシア・モレーノ ギターリサイタル

2006年2月26日(日)、ハビエル・ガルシア・モレーノのギターリサイタルが行われ、大雨の天気にもかかわらず、多くのお客様が足を運んでくださいました。

ハビエル・ガルシア・モレーノは、スペイン人。ギターから離れれば明るく陽気なアンダルシア人ですが、その演奏はしっかりとしたテクニックと楽曲分析に裏付けられた実力派です。当夜の演奏は、予定のプログラムとはだいぶ違ったものでしたが、その素晴らしいテクニックと歌心溢れる演奏を存分に披露してくれました。

1曲目は、ヴィヴァルディのコンチェルト。バックの演奏は、女性ギター合奏団「ラス・フローレス」がつとめました。明るく華やかなヴィヴァルディは、コンサートの始まりにぴったりだったのではないでしょうか。その力強い音色は、合奏団の伴奏の中を突き抜けて、ホールに響きわたっていたはずです。(私は、合奏団の一員として舞台にいたため、客席での響きは分からなかったのですが・・・苦笑)
続いて「魔笛」「アランブラ」「アラビア風奇想曲」などの、超有名曲をたて続けに演奏。これらの曲で際立ったのは、先日のレッスンでも強調していた「歌わせる」ということ。メロディと伴奏の音量をきっちりコントロールし、「歌」を際立たせた演奏は、聴きなれたこれらの曲をまた違った雰囲気で味わわせてくれました。前半最後のヒナステラ「ソナタ」では、超絶技巧を披露。アンダルシア育ちらしいリズム感のよさもあり、カッコイイ演奏となりました。

後半のプログラム中素晴らしかったのは、やはり先日のレッスンの際にも演奏を披露してくれた「ドビュッシーの墓に捧げる」。レッスン時の解説どおり、オーケストラのような重厚かつ色彩感のある演奏にぐぐっと引き込まれました。「ああ、こんなにいい曲だったのね」という感じでした。

もうひとつ印象に残るのが、ピアニッシモの音色です。レッスンでも、「音量の出るタッチ」を熱心にレクチャーするだけあり、彼の演奏時の音量はかなり大きい。だからこそ、ここぞというときに響かせるピアニッシモの音色が大変心に残ります。ダイナミックレンジの幅は、そのまま音楽表現の幅広さへとつながっていくのですね。

まだまだ日本では知名度が低いのですが、今後も継続的に来日し、また演奏を聴かせてくれたらと思います。
by yuko_kodama | 2006-02-26 17:35 | ライブ、コンサートの話
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