綱引き

ここ数回、生徒さんとものすごい綱引きバトルをしています。

4月から始められた年配のOさんは、演歌がお好きで、いつかカラオケの伴奏をしたいと言ってレッスンをスタートされました。それ自体はカルチャーの受講生には珍しいことではなく、私もクラシックを無理強いすることはありません。ただし、入門者向けの教材というのは限られていて、入門直後から演歌を教材にすることには無理があります。

「ちょうちょ」「さくら」「荒城の月」などの知っているメロディは良かったのですが、これらの二重奏になっている教材の伴奏パートになると「メロディのないのは分からないから」と、全く弾いてくれません。伴奏パートには伴奏パートで勉強するべき課題があるので、こちらとしては困ってしまいます。
また、上達するためには正しい姿勢で弾くことが不可欠ですが、体の位置を直そうとしても、「そういうのは(弾くことに)慣れてくれば出来ると思うけど、今はそこまで出来ない」と仰るので、今のところクセの強い弾き方を直せずにいます。

確かにOさんの仰ることも一理あります。一度にたくさんのことに注意を払うのはとても難しいので、慣れてきてからでないと気が回らない、というのはそのとおりです。こちらとしては、悪いクセがつかないよう、その都度直していきたいところですが、考えてみたら「はい」と返事をしていても、そこまで気がまわらずにクセの強い弾き方を身につけてしまう方もいますから、ある意味Oさんはとても正直者です。
また、楽譜の読めない入門者にとって、メロディのないパートを弾くことも確かに難しいことです。出てきた音が合っているのか間違っているのかすら分からないのですから。

レッスンでは、出来るだけOさんの希望を尊重しつつ、どうしても身につけてもらいたいことは、一生懸命説明して、なんとかつまらないながらも練習してもらっています。その、Oさんのやりたいことと、私のやらせたいことの間で、毎回綱引きが行われているわけです。

Oさん!私はいつか本当にOさんが演歌を弾けるようになる日まで、応援するつもりでいますよ。だからこそ、つまらないことも要求するんです。一緒に頑張って、必ず好きな曲を弾けるようになりましょう。その日まで、綱引きしながらレッスンしていきたいと思います。








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by yuko_kodama | 2015-06-08 20:08 | ギター教室の話
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