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好きなギタリスト

以前、とあるギタリストの方と「演奏家の中で誰が好きか」という話になりました。

その方は、アンドレス・セゴビアやジュリアン・ブリームといった、歌い回しの美しい演奏家が好みだとのことでした。そして、私が手塚健旨先生やマリア・エステル・グスマンに師事していることから、「あなたはきっと、レヒーノ(・サインス・デ・ラ・マーサ)のほうが好きでしょう?」と言いました。

もちろんレヒーノの演奏は大好きです。研ぎ澄まされた透明な音色、力強さとしなやかさで駆け抜ける迫力、たまりません。でも、対照的ともいえるセゴビアの演奏も大好きです。彼の大きな手の太い指(リナレスのセゴビア博物館にある実物大の石膏像を見ました)から紡ぎ出される甘い音色とビブラート、歌心に富みながらも折り目正しい演奏にはため息が出ます。

イエペスも、ブリームも、ホセ・ルイス(・ゴンサレス)も、もちろんジョン・ウィリアムスも、それぞれ個性は違えども、みな好き。誰が好きか、なんて、とても一言では言えません。

でも、そういうのは私だけではないと思います。手塚先生は、確かにレヒーノの弟子です。けれども、イエペスやホセ・ルイスにも習い、セゴビアのことも尊敬されています。セゴビアにインタビューした折のエピソードを、今でも目を輝かせ、昨日のことのようにお話して下さいます。私は、そうした巨匠の時代を直に知っている手塚先生を尊敬していますし、巨匠直伝の音楽を習えることに感謝しています。

このように、過去の巨匠たちの名を並べれば、誰が好きかを一言で語るのは難しい。でも、時を現代に移せば、答えはひとつ、スペイン留学時代の恩師マリア・エステルです。

今年は10月に来日、全国ツアーが組まれているはずです。その演奏はまさに「ギターの女王」というにふさわしい、素晴らしいものです。まだお聴きでない方は、今年こそぜひ足を運んでみて下さい。私もわくわくしながら、首を長くして待っています

















by yuko_kodama | 2015-02-25 21:34 | ギター音楽の話
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