パンピング・ナイロン(スコット・テナント著)

大変遅まきながら、掲題の本「パンピング・ナイロン」(スコット・テナント著)を入手して、基礎練習をしています。8ドルほどで買えました。コスト・パフォーマンスの観点からいうと、これほど割りのいい本は、今までで初めてかもしれません。

内容に関しては、特別目新しいことは何も書いていない、実にオーソドックスな奏法解説が中心です。しかし、それをじっくり読んでいたら、「慣れ」によってないがしろにしてしまっていた部分に気付くことができました。これはやはり、生徒を教えなくなった弊害でもあると思います。
以前に私が教えていた生徒さんたちは、主に初心者の方が中心で、レッスンでは基本的な奏法、つまり、姿勢や腕・手・指の使い方などを、レッスンのたびに繰り返し説明していたものでした。それは、とりもなおさず、自分への復習でもあり、そのたびに、生徒さんたちを鏡として、自分も常に基本に立ち返ることが出来ていたように思います。翻って現在、少ない練習時間の中でレッスンに持っていく曲の勉強にばかり追われ、いわば「一夜漬け」を繰り返しているような状況に陥っております。基礎練習こそ大事と頭では分かっていても、継続的に、しかもしっかりと集中して基礎練習を行うことは、意外と難しいことですね。

そんな状況の中、この「パンピング・ナイロン」にある、極めて単純で、だからこそ「はっ」とさせられる基礎練習を集めた「デイリー・ウォームアップ」の章に助けられています。左手・右手ともに、指1本づつの動きから確認することができる、これ以上はないシンプルな練習課題ですが、どのタイミングで力を入れるか、力を抜くか、体のどの部分に力を入れるのか、どの部分に力が入ってはいけないのか、これらに気を配りながら行うと、大変効果的だと思います。さらに、同じ課題でも、上記のようにゆっくりと動きを確認しながら行う練習のほか、スピードを上げる練習、レガートに弾く練習など、バリエーションをつけると、練習に変化が出て楽しいし、複数の効果を得ることができると思います。
ほかに、同じ本の終わりに収録されている「ジュリアーニの120のアルペジオ」も、基礎練習として行っています。こちらは、パっと見では弾けないような、今まであまり曲中で出会ったことのないアルペジオのパターンがたくさんあって面白いです。私は、だいたいどのパターンを弾いても、小指の緊張を先生に指摘されることが多いです。ちなみに、前述の「デイリー・ウォームアップ」で行っている左手の基礎練習では、必ず左手親指の緊張を指摘されます。左手親指の緊張は、私が何度か経験してきた左手の腱鞘炎の原因でもあります。どちらも長年のクセなので、なかなか直りませんが、地道にやっていきたいと思います。

というわけで、最近、基礎練習がちょっと新鮮です。
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by yuko_kodama | 2010-09-24 14:01 | ギター音楽の話
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